2024-07-24

萩市で商船高専同窓会、持つべきは良き友

今年8月、10年ぶりに故郷、島根の田舎に帰省予定。これが人生最後の帰省。折角なので青春を共に過ごした萩市在住の親友に会う旨連絡。そして、その友人が萩市で商船高専同窓会を企画。少し紹介します。

商船高専は、全国に5校あり、外国航路の商船士官を養成。船長を養成する航海科と機関長の機関科の2学科。前者は定員40名、後者は80名。私は、山口県大島にある大島商船高専で学ぶ。

私が学んだ機関科では、中学卒業後、4年半の座学と9ヶ月の航海実習及び3ヶ月の造船所実習。16歳から22歳までの多感な時代を全寮制での共同生活。多面的に鍛え上げられました。

写真は、瀬戸内海に面する大島商船学生寮。

寮は、低学年と高学年寮の2つ。3年生までの低学年寮では、3年生の室長と2年生の1年生指導係及び1年生で一部屋が構成。4名から6名が一部屋で共同生活。1年生は奴隷、2年生は人間、3年生は天皇と言われたが、そうでもない。

萩の親友とは、在学中に色々と学生生活を楽しむ。彼は、カッター部の部長で、授業が終われば何時も、カッターに乗り瀬戸内海でカッターの練習。これかなりシンドイ部活です。

写真は、オーストラリアへの遠洋航海中、太平洋上でカッターの帆走訓練の一葉。

親友とは、練習船実習や造船所実習も一緒で長く楽しい付き合い。

4年半の座学を終えると、9ヶ月の航海実習のため東京晴海埠頭に集合。

私達の班の遠洋航海は、オーストラリアとパプアニューギニア。航海訓練所の練習船、青雲丸(5,400トン)で晴海埠頭から2週間かけてブリスベーンに到着。

陸のような物が見え、それが少しずつ大きくなり陸と分かる。生まれて初めての異国、感動でした。その後、何十回と海外を訪問しましたが、船での異国への渡航は、その時が初めての最後。船旅、良いです。

写真は、大島商船の練習船、大島丸と航海訓練所の帆船、日本丸。


練習船に乗った初日の講義で、一等航海士が、「君達は、航海実習を終えて卒業後、商船士官となる。士官は、常にnoblesse oblige(仏語らしい)。身分の高い者はそれに応じて果たさねばならぬ社会的責任と義務がある、それを忘れるな」と言った言葉が強く記憶に残る。

さらに、「連帯責任はない。責任は誰にあるか、責任の所在を常に明確にしろ」との助言も、その後の私の人生で忘れられない言葉。

写真は、遠洋航海中の船内運動会の一葉。

免税のお酒をたくさん買い、4時間毎の当直後は、毎日、酒盛り。青春の楽しい一コマでした。

写真は、ブリスベーンの子供達と商船高専の友人及び、中心街での一葉。


萩在住の友人は、外国航路の士官を経験後、萩で精肉店を経営。「長萩和牛」のブランドで東京や大坂の高級レストラン等も含め全国5都府県のレストランと取引。それは、TBSでも紹介。

8月14日は、その友人宅でバーベキューパーティーとの知らせ。佐賀県からの友人も含め7名での同窓会。今から楽しみ。「持つべきは良き友なり」を再認識。友人に感謝。

『事上錬磨』(安岡正篤:一日一言)

「心身の学を修める上で忘れてはならないことは、事上錬磨ということであります。それはわれわれが、絶えず日常生活の中でいろいろな問題について自分の経験と知恵をみがいてゆかねばならぬことです。

己を修めないで人を支配しよう、人を指導しようと思っても、それは無理というものです」。

『事上錬磨』、心に留めたい教えです。