明日から「弥生3月」。月日の過ぎゆく早さを感じます。「光陰矢のごとし」。
昨日及び一昨日は、国立大学一般選抜前期日程、2次試験。11年前の前職場、山形大農学部では入試にも携わり、フト入学試験とその業務を思い出しました。少し紹介します。
大学では、毎年、色々な入学試験が実施されます。例えば、山形大農学部、3年次編入試験や一般選抜(前期日程)も含め7種類の入試がありました。
さらに、大学院の修士及び博士課程入試。そして、入試問題作成や査読。入試業務、大変です。
山形大に赴任して数年後、生物学の入試委員になり問題作成に携わりました。委員会が立ち上がると、2週間に一度、鶴岡から山形市の小白川キャンパスで開催される入試委員会に出席。
当時は高速道もなく、一日仕事の出張。大変でした。
理学部生物学科からベテラン委員が7名、農学部から3名の委員。委員がそれぞれ問題を作成し、その中から妥当な問題を選出。何と初心者の私の問題も選ばれました。
私は生物学の知識がなくても解ける面白そうな問題作成に挑戦。当時は、アブラムシの捕食者、テントウムシ等の種間関係の研究が、私の研究テーマの一つ。
そこで、野外でアブラムシ捕食者の観察を中心にした問題と、餌をめぐる2種テントウムシの相互作用を解明する要因実験に関する問題を作成。
試験が終わり、その年の大学入試過去問題集「赤本」で問題の解答と解説を一読。どのような講評か少し気になりました。「受験生にじっくりと問題を考えさせる優れた設問である」との「評」にニヤリ。
大学入試業務は、問題作成以外に試験場での業務もあります。特に、大学入試センター試験は大変です。
当時、1500名程度の受験生が鶴岡会場でセンター試験を受験。試験当日の入試業務としては、試験場本部業務、各教室での試験監督、野外での整理等の業務等々。
試験監督は、問題及び解答用紙の配布及び回収。そして、試験実施要領記載事項を音読し、不正がないように監督するのが主業務。これは割と問題なく対応できます。
ところが、ある年から英語試験に「リスニング」が導入されました。これが結構大変。機械のトラブルも含め問題が多発。私は、「リスニング」が導入された年、副学部長で本部業務。本部業務担当者は、監督者説明会の参加は不要。試験監督業務には関知しないので「リスニング」の説明は聞きません。
ところがその年に限り、風邪で予備監督者全員が欠席。何となく胸騒ぎ。何と監督者も1名欠席。一つの教室で監督者なしが発生。本部担当者から誰か出陣する必要あり。前述のように本部業務者は、試験監督の説明会は欠席、ウウウ。
一瞬本部担当者が沈黙。「こりゃやらねばイカンバイ」と思い、ニッコリしながら「私がやります」と引き受けました。全く想定外。その後、試験監督要領の「リスニング」をナメルように読み込み、イザ出陣。
教室では、ユックリ落ち着いて監督要領を大きな声で音読し、自信満々のような顔で対応。これ結構、重要です。
おかげで質問や問題もなく試験が無事終了。ホッとしたのを今でも鮮明に覚えています。人生、予期しないことが起こります。勉強になりました。
学部長の時は4年連続、試験場責任者。朝7時前に家を出て夜10時前の帰宅。試験業務は入試委員長が対応するので試験場責任者の出る幕はありません。しかし、2日間、気を遣ったのを覚えています。
何も起こらなくて当たり前、それが入学試験業務。懐かしく思い出しました。
『反省』(平澤 興 一日一言)
「人間がその人生の目標に向かって積極的情熱的に前進する限り、反省は、若人にも老人にも絶対に必要であろう。しかしこの反省は、後ろ向きの暗い反省ではなく、前向きの明るい努力と実行のある反省である」。
「世の中を見ると、どうも失敗でだめになる人のほうが多いようだが、真に大成した人は、むしろ失敗を機として逞しく立ち上がった人であって、こういう例は内外ともに少なくない」。
『反省』、「前向きの明るい努力と実行のある反省」、重要に思います。