2021-11-30

国立大学の昨今、「経営協議会」

明日から師走、一年の過ぎゆく早さを感じます。本日は、国立大学の昨今について少し紹介します。

平成16年度(2004年)に国立大学の独立行政法人化、所謂、独法化が行われました。

「国立大学が、自由な運営により、優れた教育や特色ある研究に各大学が工夫を凝らし、より個性豊かな魅力のある大学になるために、国の組織から独立した「国立大学法人」にする」。

この理由で全ての国立大学は、独法化となりました。

そして、各大学は、6年毎に中期目標・中期計画を策定して大学を経営。毎年、大学評価・学位授与機構による各年度の目標及び計画に対する実績の評価があります。

中期目標策定の6年後には、6年間の教育・研究・社会貢献・管理運営等の評価が行われ、大学への経費が評価に応じて配分されます。

独法化後の新たな制度の一つは、「経営協議会」の設置。これは,各国立大学法人の経営に関する事項について審議するのが設置目的で、半数が学外委員。

私の友人が、今年10月からある国立大学の学長になり、その大学の経営協議会委員を頼まれ、「NOと言えない日本人」、委員を承諾。第1回の経営協議会が先日開催されました。

その協議会では、第4期中期目標・中期計画の策定が大きな議題の一つ。来年度から第4期中期目標・計画期間に入ります。私が山形大執行部の時は、第2期と第3期でした。月日の過ぎゆく早さを感じます。

山形大では、原則2ヶ月に一度の経営協議会でした。元文部大臣で東大の総長や、元東北大総長、元富士銀行取締役常務の方々等、7名の学外委員。毎回、大所高所から色々な意見を聞くのが楽しみでした。

今回、委員を依頼された大学では、1年に4回の協議会。大所高所から意見が言えたらと思います。

1年半ぶりに国立大学の状況や文科省の動きが学べる機会でした。8名の学外委員は、色々な経歴の方々ですので多面的に学びたいと思います。出会い、楽しみです。

『気力旺盛』(安岡正篤:一日一言)

「気力が旺盛であるということが個人的にも民族的にも最も大事なことで、気力を弱くしてしまったら、教養が多少あろうが、頭脳・知性が優れていようが、技能が発達していようが問題でない」。

「気力というものが一番大事で根本的なものである。日本民族もこの気力を失わなければ、気力が旺盛になれば、いろいろの欠陥は少しも苦にする必要はない」。

「反対にどんな長所があっても、例えば知性だ、技能だ、その他教養があるといっても、気力が旺盛でなければ個人も国家も発展しない」。

『気力旺盛』、好きな箴言です。肝に銘じたいと思います。

2021-11-28

『ただの虫のただならぬ働き』、「サロン」

今年度第7回の「学びのサロン」を11月下旬に開催。本日は、その「サロン」を少し紹介します。この「サロン」は、岩波ジュニア新書『博士の愛した地味な昆虫』がテキストです。

今回は、第5章「多様なムシの集まり、食うか食われるか」。その1「ただの虫のただならぬ働きー農業害虫と天敵」。

この章は、桐谷圭治先生の執筆です。先生は、この『新書』の出版を目前に91歳でご逝去。

先生は、日本はもとより、世界の応用昆虫学の牽引車の一人で、世界で始めて農業生態系での多様な生物を農業に活用する「総合的生物多様性管理」も提案。

それは、全く独創的で、まさに先生にしかできない提言。「応用昆虫学の世界の巨星墜つ」を強く感じました。

先生とは、学会の懇親会でお会いすると何時も四方山話に話が弾み、学会でお会いするのが楽しみなお一人。

今回のタイトルは、「ただの虫のただならぬ働き」です。農業生態系で生活する昆虫に注目すると作物を摂食する害虫、それを捕食する天敵、そして、害虫でも天敵でもない昆虫が「ただの虫」。

この「ただの虫」との用語は、1972年に先生が『婦人之友』で使われたのが初めてとのこと。

「ただの虫のただならぬ働き」の一つに捕食者の餌としての役割があります。水田の害虫ツマグロヨコバイの捕食者コモリグモは、餌の7割から8割がツマグロ。

しかし、室内でコモリグモの幼体をツマグロのみで飼育しても成体にならず、ユスリカなどの「ただの虫」を一緒に与えると生体まで発育。「ただの虫」は、餌メニューを多様にし、捕食者の発育を促進する役割があります。

さらに農業生態系では、一般的に害虫の個体数が増加しないと天敵の数は増えません。ところが、クモなどの広食性天敵は、そこに「ただの虫」がいると生活が可能で害虫が大発生するのを抑えます。

それゆえ、「ただの虫」は農業生態系で「ただならぬ働き」をしているのです。

このような「ただの虫」の役割の発見も先生のグループの貴重な研究成果の一端です。

今回の「章」では、水田生態系の多面的な話が記されてあり、意見交換も盛り上がりました。その一部を紹介します。

参加者の中に4反歩(40アール)の水田でコメを作っている方がいます。その方は、「カメムシ防除のヘリコプターでの農薬散布や苗代を考えるとコメ作りは赤字である」と紹介。

「ヘリでの農薬散布は、自分の所だけやらないわけに行かないので色々と大変だ」とのこと。

「農家の方が一生懸命にコメを作っても赤字になると言うのは、どこかおかしい。そのような事が起こらないようにすべきである」。

「かつて冷害でコメが採れずに日本中でコメ不足が起こった。あれは、マスコミの煽りや企業の買い占めも重要な要因であった」。

「今回BHCが母乳から赤ちゃんの体内に蓄積され、「赤ちゃんが危ない」と紹介されていた。このような生物濃縮は今でも起こっているのか」。

今回の紹介者は、毎回、パワーポイントを作成し、色々な参考資料を読んで多面的な情報も紹介してくれる方。今回の「サロン」も楽しく色々な学びになりました。紹介者や出席者の皆さんに感謝です。

『求めるとぶつかる』(安岡正篤 一日一言)

「書物でも、何か真剣に研究を始めて本屋へ入ると、それに関連する文献は必ず目に入る。不思議に、それこそ本に霊があるかのように、待ってましたといわんばかりに、ふいっと目に入る」。

「これは本屋漁(あさ)りする人は皆経験することだ。ところが、こちらが何の問題意識もなしに、つまり空々漠々で本屋へ行っても、くだらない駄本しか目につかない」。

「それと同じように、人間も真剣に求めていると必ず求める人物にぶつかるものです。生きた人物にもぶつかるし、故人にもぶつかる」。

『求めるとぶつかる』、同感です。これからも真剣に求めたいと思います。

2021-11-26

国際シンポジウム誘致と演説

大学院からの研究生活、数えると38年間。色々な事がありました。本日は、その中でも私の研究者人生で色々と学んだ国際シンポジウム誘致について少し紹介します。

3年に一度開催される「アブラムシ捕食者国際シンポジウム」。

1996年に初めてベルギーでのシンポに出席し、その後、モントリオール、ポルトガルのアゾレス島での開催に参加。

ポルトガルでの大会前に会長から、「ポルトガルの次は日本でやってくれたら嬉しい」との手紙が届きました。「NO」と言えない日本人、「了解しました」と返信。

次の開催地は、ポルトガル大会の最終日の総会で決定。開催地の立候補は、日本とブラジル。二つの国の立候補者による誘致演説とその後の協議、最後は参加者全員による投票。

先ず、ブラジル代表のご婦人の演説。これが、素晴らしい演説。「何故、ブラジルでの開催なのかを5つの理由で説明」。構成が良い、スライドが美しい。「こりゃ、参ったな」と一瞬思いました。

そして私の番。先ず、美しい日本と優しい日本人等、日本全体について話す。続いて、開催する庄内の場所、文化、名所、郷土料理と美味しい地酒等を紹介。

さらに、シンポジウムに関する日本人の研究について少し触れ、「日本で再会できるのを楽しみにしています」と演説を終わる。

まず、ドイツ人研究者が「このような国際シンポは、日本のようなアジアで開催すべきではなく、欧米でやるべきである」と強く主張。これまでアジアでの開催はなし。

「あのね、アンタ、立候補地は、ブラジルと日本だけよ。欧米でやるのならアンタ立候補しなよ」と心の中で思いました。「ポルトガル人が移民したブラジル開催に一票との意見か」と考えました。

ドイツ人研究者の意見で総会が活発化。早速、会長が反論。

「安田教授の研究成果は、今回5つの招待講演の3つで発表されている。とても優れた研究を実施している。そのような研究者のいる日本での開催になんら問題はない」。

それ以外の研究者も日本開催を支持する意見が圧倒的でした。

その後、挙手による採決になり、日本の支持者が大多数。採決後、ドイツ人研究者が私の処に来て「先ほどの発言は申し訳なかった」と言いました。

この国際シンポジウムの運営委員は、私の友人達なので、最終的には運営委員会で日本に決定。

写真は、日本でのシンポジウムの一葉。


「いやー、色々な人がいるな」と勉強になった、国際シンポでした。

その時の友人達も今は全て現役を退き第二の人生を満喫。ふと懐かしい国際シンポ誘致を思い出しました。友人達に感謝です。

『なくてはならぬ人』(安岡正篤 一日一言)

「賢は賢なりに、愚は愚なりに一つのことを何十年と継続していけば、必ずものになるものだ。別に偉い人になる必要はないではないか」。

「社会のどこにあっても、その立場立場においてなくてはならぬ人になる。その仕事を通じて、世のため、人のために貢献する。そういう生き方を考えねばならない」。

『なくてはならぬ人』、いいですね。そうありたいです。

2021-11-24

放送大学紹介の旅:県南置賜編

先日の秋晴れの日、山形県南部、置賜地区の市役所等訪問し、行政や教育に携わる方々に放送大学を紹介しました。本日は、放送大学紹介の旅、県南置賜編を少し記します。写真は、米沢市の上杉神社

放送大学は、1年に入学が2回、4月と10月。2022年度4月入学者の願書受付が、11月26日から開始。人生100年時代の今、知的好奇心旺盛な方々に放送大学の学びを紹介。さらに諸々の免許取得希望者や学士、修士、博士学位取得希望者に放送大学の特色や特徴を伝える広報活動。色々な出会いがあります。

『放送大学の5つの特色』とは、「1.放送大学の入学資格は、学ぶ意欲です。2.放送大学には入学試験はありません。高卒資格がなくても学ぶ意欲があれば書類審査で入学できます」。

「3.大卒資格を目指す方、特定の分野を学びたい方、1科目だけの受講も可能です。4.目的に合わせて自分のペースで学べます」。

「5.出願や受講は、インターネットで可能です。インターネットで『放送大学』と入力し、ホームページを閲覧ください。多くの興味ある番組に出会えます」。

そして、『放送大学の5つの特徴』とは、「1.放送大学は、「何時でも、何処でも、誰でも学べる」、文科省通信制大学です。2.大学卒業資格の学士(教養)学位や、修士及び博士の学位取得も可能です」。

「3.国立大学4年間の授業料の1/3、70万円程度で大学卒業資格が取得できます。4.入学は、1年に2回、4月と10月です」。

「5.入学料(全科履修生)は、24,000円(10年間在学可能)。授業料は、1科目2単位、11,000円です」。

紹介が終わると多面的な情報や意見の交換。行政に携わっている方からは、「地域のブランドを創出するため、戦略チームを作って対応しているとのお話」。地方の活性化にも地域ブランドは重要に思います。

「最近、バス等の公共交通機関のIT化が進みつつあるが、ご年配の方々がその利用を理解するのが難しい。そこで、学生ボランテアに対応してもらうことも検討中」。なるほどと感じました。

教育関係者との情報交換では、「色々な考え方の保護者がいて対応が難しくなりつつある」とのお話。大学生についても色々な考えの保護者がいて対応に苦慮したこともあり、理解できます。

「「特別支援学級」の教諭希望者が少しずつ増加している。免許状のない希望者もあり、放送大学の「特別支援学校教諭免許状取得制度」は、魅力的な制度に思う」。是非、活用して下さい。

お昼に上杉神社を訪問。鷹山侯等に会い、鷹山侯の学び直をしました。

内村鑑三は、英文著『Representative Men of Japan(代表的日本人)』を1908年(明治41年)発刊。そして、5人の代表的日本人の1人として上杉鷹山侯を紹介。

鷹山侯は、米国の大統領J・Fケネディが最も尊敬した日本人の1人。「為せば成る 為さねば成らぬ何事も 成らぬは人の為さぬなりけり」。

ケネディ大統領の娘さんのキャロライン・ケネディさんからの手紙も展示されていました。

お会いした関係各位に感謝です。

『事上錬磨』(安岡正篤 一日一言)

「身心の学を修める上で忘れてならないことは、事上錬磨(じじょうれんま)ということであります」。

「それはわれわれが絶えず日常生活の中でいろいろな問題について自分の経験と知恵をみがいてゆかねばならぬことです」。

「己を修めないで人を支配しよう、人を指導しようと思っても、それは無理というものです」。

『事上錬磨』、心に残る箴言です。

2021-11-22

趣味の農業、最後の大物「里芋収穫」編

「趣味の農業」、我が家の畑。11月下旬でもチンゲンサイ、小松菜、白菜、キャベツ等の葉物が元気に畑で収穫を待っています。

屋根のないビニールハウスの中では、大根とニンジンも、元気に生育中。

先日、最後の畑作物の大物、「里芋」を収穫しました。採れました。15個の種芋を移植し、300個くらいの里芋が収穫、20倍の収量です。

粘り気があり、モチモチした食感。スーパーで購入する里芋との違いを感じます。

今年は、里芋の茎が10センチ位の時、離れて植えた5つの里芋を他の里芋と一緒にするため植え替えました。「植え替えは止めて、そのまま大きくした方がよいと思う」と家内から提案。

最近ぐっすりと冬眠していた私の「研究者魂」が、ムクムクと起き上がり「里芋の移植が、その後の生育とイモの形成に及ぼす影響」との研究テーマを設定。野外予備実験をワクワクしながら開始。

写真が、その結果です。右側が植え替えた地下部、左が植え替えなしの地下部です。驚きました。植え替えた里芋は、全くイモが形成されていませんでした。

家内はニヤニヤしながら「そーら、私が言った通りでしょ」と誇らしい顔をしていました。

この予備実験により「里芋の移植後の植え替えは、イモの形成に負の影響を与える」ことが明らかになりました。不思議です。何故なのか、さらなる知的好奇心が刺激されました。

この「知的好奇心」が、イモが形成されない原因について、さらなる実験を望んでいます。しかし、この「知的好奇心」を少し休眠させ、来年からは、里芋の植え替えは止めに決めました。貴重な予備実験。

家内は、嬉しそうに「ニヤニヤ」していました。

ネットで里芋について少し調べました。

「里芋に含まれる「ぬめり」には、消化を助け、免疫力を高める効果があります。中でも「ぬめり成分」のガラクタンは血糖値やコレステロールを下げることで知られています」との記述。

「免疫力」を高めるためにも、これから我が家のモチモチ感の里芋をモリモリ食す予定です。楽しみです。

野外実験、久しぶりのワクワク感を味わいました。色々と実験した昔を思い出します。実験、良いです。

『成功の陰に失敗あり』(平澤 興 一日一言)

「世の中で何かをなしとげた人というのは、多くの人はいつもよい結果だけを見ておりますから、その人の苦しんだところを見ておりません」。

「実は一つ素晴らしい研究をするならば、90いくつの失敗があります」。

「他の人は賞でももらいますと賞をもらったところだけを見て、運がいいとか、羨(うらや)んだりしていますが、それは非常に粗末な見方であります」。

「一つの賞の陰にはその何10倍の失敗があります。これは断言いたします」。

『成功の陰に失敗あり』、そう思います。昔の数々の失敗を思い出します。

2021-11-20

国際シンポジウム、「最優秀講演者賞」受賞

最近、昔の楽しかった思い出が、ふと浮かぶことがあります。本日は、その中から修士の指導学生さんが、ベルギーの国際シンポジウムで最優秀講演者賞を受賞した思い出などを少し紹介します。この国際シンポジウムは、3年に一回開催されるシンポです。

写真は、カナダ、モントリオールで開催された国際シンポジウムに4名の学生さんと出席した時の一葉。

「最優秀講演者賞は、山形大学、サトルサトウに決定した」と、アブラムシ捕食者国際シンポジウム会長が、シンポジウム最後の総会で発表しました。

それは、1996年9月、今から25年前のベルギー、ジョンブロー。私が山形大に赴任して4年目の初秋。

会長の発表と同時に「Congratulation (おめでとう)」と多くの人が、集まってきて握手の渦。今でも目を閉じるとあの時の風景が浮かびます。感動して涙腺が緩みました。

最優秀講演者賞を受賞した修士の学生さんが午前中の口頭発表後、10時30分から15分の休憩時間。その休憩時間に会長が、私の所に興奮してやって来ました。

そして、この発表が何故素晴らしいか、その理由を熱く説明。嬉しかったです。

これは山形大に赴任して初めての国際シンポ。学生さんと出席について話し合い、口頭発表を申し込みました。そして、学生さんと夏休みに発表の内容について検討。その時に、「もし、最優秀講演者賞があれば受賞できるかもしれないよ」と、話しました。

私は、これまでに何回か「予知夢」を経験し、「妙な勘」が働くことがあります。この時もこの「勘」が働きました。

受賞の夜は、レストランで美味しいお酒、ベルギーの夜を楽しく満喫。ベルギーは、ビールが有名で美味しく、ビールの種類毎にグラスが違ったのも興味深く思いました。そして、ビールだけでなく、そのグラスも楽しみました。

さらに、アルコール度数が15%程度の強いビールやフルーティーなビール、甘さが強い系統もあり。学生さんとレストランの全ての種類のビールを呑もうと話しましたが、無理でした。

国際会議ではエクスカーションと言って、会議出席者が歴史的な建物や場所を見学するツアーがあります。

ベルギーのエクスカーションでは、ナポレオンが敗れたワーテルローの戦いの場所を訪問。ワーテルローの名前は知っていましたが、それがベルギーにあることは知りませんでした。国際会議出席では、このような学びも楽しめます。

シンポ終了後は、知り合いが働いているブリュッセルの国連本部を訪問。思い出の多い、25年前のベルギーへの旅、懐かしいです。昨日のように思い出します。

 国際シンポジウムでの「最優秀講演者賞」受賞。感動は、一生記憶に残ります。学生さんに感謝。

『長所を伸ばす』(平澤 興 一日一言)

「世の中には子どもの幸福を祈りながら、子どもの長所を伸ばそうとせず、弱点だけをみて朝から小言を言っておる親があるが、これほど馬鹿げたことはない」。

「だれにも長所はある。子どもをよくするには、誰よりもその長所をよく知って、正しい愛と鞭とで、あくまでも、これを伸ばすことである」。

『長所を伸ばす』、重要に思います。

2021-11-18

『人間学を学ぶ』講師依頼の旅:米沢編

11月27日(土)から2ヶ月に1回程度開催する5回シリーズの『市民講座:シリーズ人間学を学ぶ』、5回の講演者が内定しました。

第1回は、「言い出しっぺ」の私が、「露払い」の予定です。先日、第2回目の講演者をお願いに米沢に行き、第2回目の講演者が決まりました。

写真は。米沢の上杉神社にある鷹山侯の一葉。

その後、数日で全ての講演者が内定。縁が縁を呼び、良い縁を感じます。感謝です。

内定した講演者は、1)企業の会長さん、2)山形大の前理事副学長、3)世界で初めてノート型パソコン作成に関わった方、4)資生堂の美容部員から常務になられた女性。楽しみにして下さい。

私の次の第2回の講演者としては、まず、知り合いの企業の会長さんが思い浮かびました。約4年前に山形大主催のシンポジウムで基調講演をお願いした方です。

その時、記憶に残った言葉を少し紹介します。

「人と人とのふれあい、佳き人生とは、良き人との出逢いである」。

「自分を磨くには、自分の師匠に恵まれることである。良き仲間に巡り会い、良い家族を作る」。

「新しいことをやるときは誰でもひるむ、一歩踏み出す勇気が必要。チャレンジして初めて失敗する、失敗するから成功もある。人生は、情熱、挑戦、勇気が必要」。

静かな語りでしたが、心に残る言葉。人生の修羅場を何度かくぐった方の一言は、深みと味があります。講演が今から楽しみです。

会長さんとは、3年ぶりの再開で四方山話に花が咲きました。これまでに4回死に直面したとのこと。

最近では、アンカレッジ空港に着陸する時に4つのエンジンの一つが火を噴き、墜落寸前だった。さらに居眠り運転の車との正面衝突。「普通だと4回は死んでいます」と話されました。私は「宇宙には、宇宙霊がいて、それが会長さんを必要とされていると思います」と宇宙霊を紹介。

会長室には、3つの直筆の色紙が掲げてありました。「良き人生とは佳き人との出逢いである」、「筋を通す」、「日々人生は惜しみなく、余りなく生きる」。毎日、この3つを心がけて生きているとのことでした。

今回の「人間学を学ぶ」の企画により、会うことがないと思った人に会うことができ、また新たな出会いも経験しました。「縁」、重要に思います。皆さんに感謝です。

『縁尋機妙・多逢聖因』(安岡正篤 一日一言)

「縁尋機妙(えんじんきみょう)とは、良い縁がさらに良い縁を尋ねて発展してゆく様は誠に妙なるものがあるとの意味である」。

「多逢聖因(たほうしょういん)とは、いい人に交わっていると良い結果に恵まれるとのことである」。

『縁尋機妙・多逢聖因』、当たっています。「縁」、大切にしたいと思います。


2021-11-16

松ヶ岡萱刈奉仕作業と「♪山谷ブルース♪」

私が住む松ヶ岡の中心に「本陣」と言う建物があります。これは、第3代庄内藩主酒井忠勝侯が、今から約400年前の1622年に庄内に入部して使った仮殿の1棟。

明治5年(1872年)に松ヶ岡に移築。萱葺き檜造平屋建の建物です。この本陣は、萱葺きのため毎年11月中旬の寒い日、集落の人が萱場に行き、萱刈が恒例の行事。写真は、萱刈の軽トラ軍団

11月14日の日曜日午前中は、萱刈。今年は、例年になく晴天、気持ちよく皆さんと良い汗を流し、四方山話の情報交換。共同作業、通常は顔を見る機会のない方々とも顔合わせができ良いです。

午後は、本陣周辺の冬支度の奉仕作業。植木の雪囲いや本陣の冬支度、さらに水芭蕉群落周辺の草刈り。写真は、本陣の冬支度前と後の一葉。


この冬支度が終わると、いよいよ北国の松ヶ岡にも長い冬がやって来ます。今年の雪はどの程度積もるか気になる処です。

本日一日の野外奉仕作業が終わり、夕方からは「ごほうび」に焼酎をグイッと呑む。最高。汗を流した後の焼酎、喉を通り五臓六腑にしみわたるのが心地よいです。

♪今日の仕事はつらかった あとは焼酎をあおるだけ♫ どうせどうせ山谷のドヤ住い♫ ほかにやることありゃしねえ♪

これは、昭和43年(1968年)「フォークの神様」こと岡林信康さん作詞作曲の「山谷ブルース」。

岡林さんは、同志社大学神学部を中退し、山谷で働いた経験を元に「山谷ブルース」を作ったとか。焼酎をグッとあおると何時もこの歌を思い出します。昭和です。

東京の山谷、大阪の西成あいりん地区、日雇い労働者の方々の街。若い頃、西成で日雇い労働者の方々と一緒に仕事をしました。

仕事が終わると「兄ちゃん、呑みに行かへんか」と誘われ、立ち飲み酒場で焼酎を遣り「山谷ブルース」を聴き「人生」を聞きました。皆良い人達、懐かしい。

♪一人酒場で飲む酒に 帰らぬ昔がなつかしい 泣いて泣いてみたってなんになる♫ いまじゃ山谷がふるさとよ♪

松ヶ岡の奉仕作業から「山谷ブルース」を思い出しました。

『出来た人』(安岡正篤 一日一言)

「世に処して活動する人々は、どんなに忙しくとも、その風格に何処か明るく、静かな趣がなければならぬ。それでこそ所謂出来た人である。がさつはいけない」。

「風格に何処か明るく、静かな趣がある」、良いですね。かくありたい。

2021-11-14

♪友を選ばば書を読みて♪、「医者を選ばば?」

「♪妻をめとらば才たけて みめ美わしく情ある♫ 友を選ばば書を読みて 六分の侠気四分の熱♪」

これは明治38年(1905年)、与謝野鉄幹作詞の「人を恋うる歌」。

「五十肩」の痛みはかなり減少しましたが、先日、痛み止めを貰いに「整形外科」に通院。

若先生、「痛みが少なくなっても腕が上がらないと言うのは、肩の筋肉が切れている可能性があります」。

私は心の中で「若先生、痛みが少なくなっているのは痛み止めを服用しているからですよ」、と言いました。

さらに若先生、「筋肉が切れているかNMRで検査しましょう」と提案。

私は心の中で「筋肉が切れている可能性は否定できないが、ほぼゼロでしょう」、と言いました。筋肉が切れるようなことはやってないし、切れたら痛みが生じると考えたからです。

さらに若先生は、「筋肉が切れていたら、かなり大がかりな手術が必要です」、と説明。

私は心の中で、「若先生、筋肉なんか切れていないから手術は、不要ですよ」、と言いました。

若先生には、「もう少し様子を見てNMRのお世話になるか考えましょう」、と言って飛んで退散しました。

かつてある病院で「人間ドック」を受けました。担当医は、胃カメラの写真を見て「胃がんの可能性がありますから精密検査をします」。そして、精密検査の結果を見て「やはり胃がんと思われます」と一言。

私は、胃カメラの写真を持って胃腸の名医と評判の病院に直行し、名医の診断を仰ぎました。「これは胃がんでも何でもありません」、と一言。人間ドックの医者に危なく胃を切られるところでした。

この一件以来、人間ドックの受診病院を変更、「クワバラくわばら」です。

最近は、色々な情報がインターネットで収集でき、昔と違い病気や怪我の自己診断も可能。

時には現在診療を受けている担当医とは別の医療機関の医師に診断や治療選択を求める「第2の意見」も重要に感じます。「医者を選ばば?」、医者を選ぶには用心が必要に思います。

「♪恋の命をたずぬれば 名を惜しむかな男ゆえ♫ 友の情けをたずぬれば 義のあるところ火をも踏む♪」

『因果の法則』(安岡正篤 一日一言)

「人間には奇跡というものはありません。奇跡などというのは研究不足、勉強不足の者の言葉でありまして、原因・結果というものは常にはっきりしておるのです」。

「悪いことをしますと、いつかは悪い結果があらわれ、善いことをすれば善い結果があらわれる、というのは厳粛な自然の法則であります。したがって人間は因果律というものを大事にしなければなりません」。

『因果の法則』、当たっています。大事にしたいと思います。