「通信課程であっても実験を必要とする面接授業を受講できる。これが私にとって放送大学の最大の魅力です」。
「私の場合は、東京文京学習センター(東京文京SC)のウニゼミという発生学の自主ゼミに入り、ウニの人工単為生殖について卒業研究を完成することができました」。
「社会人が仕事をあきらめずに実験を伴う研究に挑戦できるのは放送大学以外にありません」。
これは、北海道SC40代、在籍4年、女性の「声」です。
放送大学の学生は、全国50の学習センターの何処かに所属し、所属センター以外のセンターでの学びも楽しめます。
放送大学では、放送授業、オンライン授業、面接授業の3つの授業があります。放送授業は、インターネット配信され、「何時でも、何処でも、誰でも」、聴講可能です。
山形SC、1学期2回目の面接授業、心理学実験2。1日目の午前中、聴講しました。心理学は今、人気の授業の一つです。
写真は山形SCのある霞城セントラル10階の山形SC関連施設。事務室、学生控え室、教室への廊下。
面接授業は、土日2日間。心理学実験2は、3つの実験より構成。3つの実験の一つ「印象形成」の実験を楽しく学びました。少し紹介します。
「私たちは、他者について直接あるいは間接的に得た情報を、どのように統合し、その人物の全体的な印象を形成するのだろうか」が、『実験の背景』。
「全体印象の成立には、個々の特性が均等な重みで寄与するのではなく、中心的機能を果たす特性(中心特性)とそうでない特性(周辺特性)がある」。「本実験は、中心特性の働きを検証する」が、『実験の目的』。
「中心特性として指摘されている「暖かい」と「冷たい」という特性を利用し、これらの情報のいずれかが、一連の特性情報に入ることにより、刺激人物の全体像が変化することを確認する」が、『実験の内容』。
「特性語リスト」には、「知的な」、「器用な」、「勤勉な」、「決断力のある」、「実際的な」、「注意深い」の6つの言葉と「暖かい」もしくは「冷たい」のどちらかが含まれます。これらの「特性語」が、それぞれ3秒間、被験者に提示。
その後、被験者は、「刺激人物」に関して、「寛大な」、「賢い」等を含む18の形容詞について「そう思う」、「ややそう思う」、「ややそう思わない」、「そう思わない」の4段階で評価。
12名の参加者を6名ずつ『①「暖かい」の言葉を含むグループ』と「②「冷たい」の言葉を含むグループ」に分け実験開始。
「寛大な」の言葉に、①の被験者グループは全員が、『そう思う』、②は全員が、『そう思わない』を選択。
意見が2グループで明確に分かれた言葉は、「社交的な」、「人情のある」、「温厚な」等。「暖かい」の言葉が含まれたグループは、全員が「社交的」を選択、「冷たい」のグループは、全員が「社交的でない」を選択。
一方、意見が類似の言葉は、「賢い」、「頼りになる」、「まじめ」等々。
一つの言葉で「印象形成」が変化することを知りました。実験目的の「中心特性の働きを検証する」、学びました。学問は面白く、楽しいです。講師の先生や学生の皆さんに感謝です。
「♪生きるとは学ぶこと、♫学ぶのは楽しみ♪」「♪生きるとは知ること、♫知ることは喜び♪」。これは、放送大学歌の一部抜粋。本当にそう思います。
写真は、霞城セントラル10階の山形学習センターから月山を含んだ山形市内の眺望。
『楽しむ』(安岡正篤 一日一言)
「『論語』に曰く「これを知る者は、これを好む者に如(し)かず。これを楽しむ者に如かず」と。知ることは本来余り価値がない」。
「これに対して、好むことは対象を自分の情緒の中に入れることであって、身になる。更に深く理性や潜在意識の働きが加わると、これを楽しむという」。
「全ては楽しむという境地に到って、初めて渾然(こんぜん)として具体化してくる。つまり人間そのもの、行動そのものになるからだ。学問もこの境地に達してこそ本物である」。
「楽しむという境地に到って、学問が人間そのもの、行動そのものになる」、味わい深い箴言です。第二の人生、色々と楽しみたいと思います。
写真は、高速バスのバス停、「庄内あさひ」の裏山の「山桜」等の一葉。春、いいですね。樹木から元気をもらえます。