2021-04-30

山形学習センター面接授業、心理学実験2

「通信課程であっても実験を必要とする面接授業を受講できる。これが私にとって放送大学の最大の魅力です」。

「私の場合は、東京文京学習センター(東京文京SC)のウニゼミという発生学の自主ゼミに入り、ウニの人工単為生殖について卒業研究を完成することができました」。

「社会人が仕事をあきらめずに実験を伴う研究に挑戦できるのは放送大学以外にありません」。

これは、北海道SC40代、在籍4年、女性の「声」です。

放送大学の学生は、全国50の学習センターの何処かに所属し、所属センター以外のセンターでの学びも楽しめます。

放送大学は、放送授業、オンライン授業、面接授業の3つの授業があります。放送授業は、インターネット配信され、「何時でも、何処でも、誰でも」、聴講可能です。

山形SC、1学期2回目の面接授業、心理学実験2。1日目の午前中、聴講しました。心理学は今、人気の授業の一つです。

写真は山形SCのある霞城セントラル10階の山形SC関連施設。事務室、学生控え室、教室への廊下




面接授業は、土日2日間。心理学実験2は、3つの実験より構成。3つの実験の一つ「印象形成」の実験を楽しく学びました。少し紹介します。

「私たちは、他者について直接あるいは間接的に得た情報を、どのように統合し、その人物の全体的な印象を形成するのだろうか」が、『実験の背景』。

「全体印象の成立には、個々の特性が均等な重みで寄与するのではなく、中心的機能を果たす特性(中心特性)とそうでない特性(周辺特性)がある」。「本実験は、中心特性の働きを検証する」が、『実験の目的』。

「中心特性として指摘されている「暖かい」と「冷たい」という特性を利用し、これらの情報のいずれかが、一連の特性情報に入ることにより、刺激人物の全体像が変化することを確認する」が、『実験の内容』。

「特性語リスト」には、「知的な」、「器用な」、「勤勉な」、「決断力のある」、「実際的な」、「注意深い」の6つの言葉と「暖かい」もしくは「冷たい」のどちらかが含まれます。これらの「特性語」が、それぞれ3秒間、被験者に提示。

その後、被験者は、「刺激人物」に関して、「寛大な」、「賢い」等を含む18の形容詞について「そう思う」、「ややそう思う」、「ややそう思わない」、「そう思わない」の4段階で評価。

12名の参加者を6名ずつ『①「暖かい」の言葉を含むグループ』と「②「冷たい」の言葉を含むグループ」に分け実験開始

「寛大な」の言葉に、①の被験者グループは全員が、『そう思う』、②は全員が、『そう思わない』を選択。

意見が2グループで明確に分かれた言葉は、「社交的な」、「人情のある」、「温厚な」等。「暖かい」の言葉が含まれたグループは、全員が「社交的」を選択、「冷たい」のグループは、全員が「社交的でない」を選択。

一方、意見が類似の言葉は、「賢い」、「頼りになる」、「まじめ」等々。

一つの言葉で「印象形成」が変化することを知りました。実験目的の「中心特性の働きを検証する」、学びました。学問は面白く、楽しいです。講師の先生や学生の皆さんに感謝です。

「♪生きるとは学ぶこと、♫学ぶのは楽しみ♪」「♪生きるとは知ること、♫知ることは喜び♪」。これは、放送大学歌の一部抜粋。本当にそう思います。

写真は、霞城セントラル10階の山形学習センターから月山を含んだ山形市内の眺望。

『楽しむ』(安岡正篤 一日一言)

「『論語』に曰く「これを知る者は、これを好む者に如(し)かず。これを楽しむ者に如かず」と。知ることは本来余り価値がない」。

「これに対して、好むことは対象を自分の情緒の中に入れることであって、身になる。更に深く理性や潜在意識の働きが加わると、これを楽しむという」。

「全ては楽しむという境地に到って、初めて渾然(こんぜん)として具体化してくる。つまり人間そのもの、行動そのものになるからだ。学問もこの境地に達してこそ本物である」。

「楽しむという境地に到って、学問が人間そのもの、行動そのものになる」、味わい深い箴言です。第二の人生、色々と楽しみたいと思います。

写真は、高速バスのバス停、「庄内あさひ」の裏山の「山桜」等の一葉。春、いいですね。樹木から元気をもらえます。

2021-04-28

家族の癒やし、忠犬クニオと早朝散歩

昨日は、快晴。忠犬クニオと1時間、早朝散歩。とても気持ちがよく、爽快な気分。早朝散歩、よいですね。

クニオは、鼻が地面に着きそうなくらい下を向いて「クンクン」して歩きます。何のために「クンクン」するのか気になります。

そして、道端の草を「クンクン」して、チョビ、チョビッと僅かずつオシッコをし、マーキング。

散歩途中にかわいい柴犬がいる家あり。そこの前を通るときには、何時も「クウーン、クウーン」と鼻を鳴らします。しかし、かわいい柴犬とは、なかなか会えません。

また、何時も可愛がってもらうご婦人の家の前を通る時は、その家に向かいます。よく知っている。

私一人で散歩をしていた時は、風景を見ながら色々と考え事もしての散歩。一方、クニオとの散歩、そのようには行きません。自由度が低下です。

クニオは、ラブラドール・レトリバー。盲導犬になる大人しくて賢い犬。

しかし、私との散歩では、盲導犬の片鱗も見せず自由奔放に散歩。時々、私は引っ張られます。しっかり躾たら、立派な盲導犬になったかもしれません。躾、重要です。

昨日は、快晴の青空に鳥海山、月山、庄内三山が美しく映えていました。カメラマンの私、「パチリ、パチリ」とスマホのシャッター押し、よい写真を撮影。



かつて、それらの山に家族で何回も登り、色々な思い出があります。それを思い出し、5人の子供の成長を感じての散歩。何となく良いですね。庄内に移住しての長さも感じます。

散歩は、田んぼや果樹園周辺の道路です。庄内は米どころ、庄内平野は穀倉地帯。米どころの庄内、すでに水が入っている田んぼもあります。


これから代かきが終わると、田植え。田んぼに水が入ると待ち構えていた越冬明けのアマガエルが、大合唱。そして、田んぼの季節を知らせます。カエルの合唱を聞きながら季節を知る。豊かな自然のある田舎での生活、良いです。

田んぼを見ると、2010年から7年間、松ヶ岡で行った「無肥料・無農薬・無除草剤」でのイネ作り、自然共生水稲栽培研究を思い出します。

除草剤を使わないので、除草機で攪拌除草。この攪拌は、田んぼの土壌表面にできた藻類を地中に埋めて肥料にする役割もあり。5月から6月、毎週1回、合計8回の除草機押し。懐かしい。

この研究は日本だけでなく、インドネシア、ベトナム、スリランカ、ケニアの友人達の協力で、日本も含めた5ヶ国での国際共同研究

そして、日本学術振興会の科学研究費B(4年間、研究費2000万円)の採択課題。4年間の研究期間中、インドネシアの留学生が中心になり国際ワークショップ(WS)も開催。

4年間に鶴岡、ベトナム、インドネシア、新潟と毎年WSを開催。WSでは、5ヶ国の共同研究者が研究成果を発表し、その後、熱い議論。楽しく多面的に学んだ4年間。懐かしい。

クニオとの散歩から、「無肥料・無農薬・無除草剤」でのイネ作りと国際共同研究を思い出しました。

目でもの言うクニオ。我が家の重要な家族の一員。家族の癒やしに一役買っています。今4歳のクニオ。長生きして欲しいと思います。クニオに感謝。

『学問は無限』(平澤 興 一日一言)

「一つの発見はむしろ無数の疑問を起こさしめるものでありまして、この意味では学問は無限に深いと言ってよいでありましょう」。

「学問は無限」、そう思います。学問の世界、分からないことだらけです。それに挑戦して少しずつ明らかにする。ワクワク感、思い出します。学問、良いですね。

2021-04-26

本年度第1回、学習センター所長会議

 「放送大学ってNHKですよね」と聞かれることがあります。かつてNHKを通じて番組を放送していた名残かもしれません。

放送大学は、通信制大学で全国約9万人の学生が在籍。学士(教養)、修士、博士課程のある大学。教養学部は、6コースあり、それぞれのコースが、4年制大学の学部に相当します。

また、3つの学生種があり、学びの目的に合わせて、全科、選科、科目履修生を選択できます。

本部は、千葉県千葉市。全国各都道府県には、学習センターがあります。そして、学生の皆さんは、全国50の各学習センターに所属。日々関心ある授業を放送、オンライン、面接授業を通じ学んでいます。


放送大学は、理事長を初め常勤の理事5名の役員、27名の評議員、さらには90名の専任教員及び50名の学習センター所長や多くの職員で構成。

大学の教学に関する事案は、毎月、開催される教授会で審議。それ以外に、本部の理事長や学長等の執行部と各学習センター所長等との会議が1年に2回開催。

本年度第1回目の所長会議が4月22日、Web会議で開催。今年度から学長が交代し、新学長の下、新たな副学長等執行部が立ち上がりました。

今回の学習センター所長会議では、新学長から2021年度以降の大学運営の基本理念として「持続可能な発展的運営と機能強化」が示されました。さらに、建学の3つの使命+1として以下の事項が紹介。

1)生涯教育機関として広く社会人に大学教育の機会を提供する。2)新しい高等教育システムとして高卒者に対し柔軟な大学進学機会を保証する。

3)既存の大学との連携協定を深め、単位互換の推進、放送等の教材普及により大学教育を改善する。+1としては、「リカレント(学び直し)教育への寄与」。建学の原点を知ること、必要に思います。

さらに「教学運営の当面の課題」として、15項目について説明。いずれも重要な課題。国際化やグローバル化の今、そのような事に関する記述がなかったのが少し気になりました。

先日、新学長から「国際交流委員」を依頼されたので、国際交流委員会で少しずつ放送大学の国際化に向けた議論や提案をしたいと思います。

私の専門は、生態学でした。生物の「適応進化」を解明するのも生態学の課題の一つ。

現存する生物は、環境に「適応進化」して生き残ってきました。この環境への「適応進化」は、生物だけでなく、組織にも該当します。変わりゆく環境に「適応進化」する組織は、生き残り、「適応進化」できない組織は、滅びます。

新学長の下での放送大学、諸々の改革、「適応進化」、楽しみです。

『思考の三原則』(安岡正篤 一日一言)

「私は物事を、特に難しい問題を考えるときには、いつも三つの原則に依るように努めている」。

「第一は、目先に捉われないで、できるだけ長い目で見ること、第二には物事の一面に捉われないで、できるだけ多面的に、できれば全面的に見ること、第三に何事によらず枝葉末節に捉われず根本的に考える、いうことである」。

「目先だけで見たり、一面的に考えたり、枝葉末節からだけで見るのと、長期的、多面的、根本的に考えるというのとでは大変な違いがある」。

「物事によっては、その結論が全く正反対ということになることが少なくない。我々は難しい問題にぶつかる度にこの心がけを忘れてはならぬ」。

変化する環境に組織を「適応進化」させる時、「思考の三原則」、重要です。「思考の三原則」、肝に銘じたいと思います。

2021-04-24

鶴岡・山形バス通勤10年、雑感

「荷物棚の荷物が落ちないように、荷物はしっかり荷物棚に入れてください。自分の荷物が落ちて自分に当たっても痛くはありませんが、他人の荷物は痛いものです」。

これは、高速バス、運転者さんの車内アナウンス。思わず頬が緩みました。

鶴岡から山形に自家用車と高速バスを乗り継ぎ、往復4時間の通勤を開始して10年。このようなアナウンス、10年間で一度、聞きました。

10年間の通勤、色々なこともありました。本日は、その雑感の一部を紹介しましょう。

月山高速道は、鶴岡から標高700m近く上り、その後、寒河江に向かって下ります。この区間は、ブナ等の広葉樹があり春夏秋冬、いずれの時期も心和ませ、とても好きな区間。美しく、楽しいです。

これからは、新緑の時期。美しい木々、若葉の緑が映えます。1年で一番好きな季節。

高速バスは、新幹線や羽越線及び飛行機よりも運行の信頼度は高い。昨年4月コロナ禍による運休以外、荒天による運休はなし。しかし、多少の遅れはあります。

冬期間、高速バスが、到着予定時刻より15分以上経過後も到着せず、かつ高速道に車が見られない時は、要注意。大雪による除雪で、急な高速道閉鎖が考えられます。

この場合、バスは高速道ではなく一般道を通って山形に向かいます。ボーっとしてバス停で待っても、バスは来ません。また、バス会社からの道路変更連絡もなし。

「勘」を働かせ、バス会社に連絡。二度「勘」を働かせ、難を逃れました。生活する上での「勘」重要です。

運転手さん、2タイプあり。バスが、「庄内あさひ」バス停に時刻通り到着し、最終到着地山形駅に定刻に到着する運転手さん。法定速度内の迅速で爽やかな運転。嬉しいです。

一方、冬期間以外に「庄内あさひ」に10分程度遅れて到着する運転手さん。「安全運転を心がけます」との車内放送。「ゆるい運転」。

「ゆるい運転手さん」、一般道の走行では、バスは路肩に寄り後続の車を全て先に通し、その後に「ゆるい運転」。遅れは益々増幅。ウウウ。

また、山形市内に入りバス停に「乗降者」がいないと、バス停を通過する運転手さん。いいですね。好きです。

一方、「乗降者」がいなくても、全てのバス停で停車。ドアを開け、その後ドアを閉めて走行する運転手さん。ウウウ。

後者の運転者さん、山形駅到着が、さらに遅延。乗客の中には、山形駅からの乗り継ぎ客もいます。このようなお客さんは、乗り遅れもあり。

安全運転第一が基本ですが、定刻にバス停到着する運転は、乗客には有難い。

大昔に通った自動車学校、「自動車の運転は、必ずしも速度を落とせば良いとは限りません。車の流れに乗ってスムーズに運転してください」。

「スピードを落とす処や、加速する処のメリハリやバランスある運転が必要です」と、習った記憶があります。これらは、ベテランの運転手さん、百も承知でしょう。

「メリハリ」と「バランス」を思い出しました。この二つ、何事にも重要に感じます。

2つのタイプの運転手さん、タイプ分けに関与している主要因は何だろう?運転手さんにアンケートして、解析したくなりました。どんな質問事項が必要だろう?

2つのタイプの運転手さんがいますが、10年間、無事故の通勤、運転手さんのお陰。感謝です。

『静和』(安岡正篤 一日一言)

「人物・人間も、呼吸も同じことであって、人間もいろいろの人格内容・精神内容が深い統一・調和を保つようになるに従って、どこかしっとりと落ち着いてくる」。

「柔らかい中に確(しっか)りとしたものがあって静和になる。そういう統一・調和が失われてくると鼻息が荒くなるように、人間そのものが荒くなる。ガサガサしてくる」。

「静和」、重要に思います。バスが多少遅れても「静和」を保ちたいです。

2021-04-22

中村天風先生と天風会

「人生は、心ひとつの置きどころ」。これは、中村天風先生の教えの一つ。

「人生は、心の持ちようである。同じことを経験しても積極的にもなれば消極的にもなる。積極的な心を持って生きることが重要だ」。

天風先生は、1919年43歳の時、独自の心身統一法を編み出し、「天風会」を創設。「人間は、誰でも、この世の進化と向上を実現するために生まれてきた。積極的な精神が人生を変え、運命を変える」。

6年前、鶴岡に「天風哲学研究会」が立ち上がり、5年間、「天風哲学」を学びました。この研究会例会は、日曜日に開催。

昨年4月からお世話になっている放送大学、土日は、面接授業で出勤。毎月、日曜日に開催される月例会への出席が不可能となり、昨年3月末に天風会を退会。

1年間、放送大学で勤務し、年休を使えば例会に出席可能であることを学ぶ。今年4月から天風会へ復帰。

先週の日曜、午前9時から3時間「天風会仙台の会」オンライン講習会に参加。

今回の講習会、講義題目は、「心身統一法概論」。この講習会は、3時間講義を聞く形式ではなく、「安らかで何事にも動じない「心の作り方」」、「安定打座(あんじょうだざ)」や色々な体操等も含まれます。

1年振りに「安定打座」を行い「心身統一法概論」の講義を聞いて新鮮になりました。

この「天風哲学」、明治の日本海海戦、東郷平八郎元帥や山本五十六元帥、宇野千代、松下幸之助、ロックフェラー3世等も学ばれたとか。

広岡元西武監督も学ばれ、「天風哲学」に関する著書「中村天風、悲運に心悩ますな」も刊行。

その帯には、「どんな逆境にあっても、心を積極的にして生きれば、人生は好転する。天風の教えが私の野球人生を変えた。怒らず、恐れず、悲しまず。不確実な時代を生き抜くための53のヒント」と記述。

私は、毎朝、バスの中で天風先生著「運命を拓く」を1章ずつ学んでいます。天風哲学は、哲学を学ぶだけではなく、行修として日常生活に活用するのが、他の哲学と異なる処に思います。

今回の教えの一つは、「行修を生活化すれば、私の生活は行修化する」。意味深な教えです。

「人生は、心一つの置きどころ」。天風先生の教えを学び直し、「行修を生活化」しようと思いました。

『心一つで』(平澤 興 一日一言)

「心一つで、見るもの聞くものが美しくなり、心の曇りの被害者が、誰よりもまず自分だということを思うと、自分の幸福のためにも、また、周囲の幸福のためにも、何とか自分の心の鏡はいつも美しくしておきたいものである」。

「心一つで」、「心の制御」、簡単なようでそうではないです。「天風哲学の行修の励み」、必要に思います。

2021-04-20

令和3年度1学期、面接授業始まる

放送大学では、放送授業、オンライン授業、面接授業の3つの授業があります。放送授業は、インターネット配信され、何時でも、何処でも、誰でも、聴講可能です。

今年度の面接授業、先週末から開始です。面接授業では、講師や学生の皆さんと触れ合うことができ、刺激をもらっています。楽しみです。

面接授業は、1コマ90分の授業が、土日の2日間、午前と午後に2コマずつ、合計8コマ開講されます。2日間の集中講義、教員も大変ですが、学生の皆さんも大変に思います。しかし、向学心旺盛な皆さんは、本当によく勉強されています。

今年度第1回目の面接授業は、鶴岡市にある農学部の先生、科目名は『食をめぐる現状と課題』。

1)はじめに―食の現状、2)食の供給、3)食品加工―食品添加物、4)食の流通―グローバル化、5)食の安全、6)日本人の食生活の変化、7)食と生活習慣病、8)食の課題。

「食」は、今までも、今も、これからも、私たちの生活から切り離せません。重要です。今回の授業、大変興味深い内容の講義

面接授業は、講師と学生の双方向の講義。講師の講義を一方的に聴講する放送授業からは学べないことも多々あります。

私の学生生活を振り返ると講義で記憶に残っているのは、専門の知識より講師の考え方や生き方の方が多い。また、それを興味深く、面白く感じました。

今年度第1回目の面接授業、講師の先生と受講学生の皆さんに感謝です。

「放送大学は楽しい。私の人生を限りなく豊かにし、知的好奇心を満たしてくれた。人文社会から自然科学分野まで、放送・面接授業を履修し、視野を広げることができた」。

「この数年は東北各地の学習センターに足を運び、地域の特色を生かした授業から多くのことを学んでいる」。これは、北海道学習センター60代、在籍17年男性の「声」。

放送大学の学生になると、全国50の学習センターで学ぶことも可能で、所属センター以外のセンターでの学びを楽しむ方もいます。

「♪生きるとは学ぶこと、♫学ぶのは楽しみ♪」「♪生きるとは知ること、♫知ることは喜び♪」。

これは、放送大学歌の一部抜粋です。二度ない人生、学びや知ることを通じ、人生を楽しみ、喜んで生きたいと思います。

私の大学時代、友人達と自主ゼミを通じて興味のあることを多面的に楽しく学びました。商船高専から大学に入り、サークルでの自主ゼミ等も含め、大学でのゼミを通じたアカデミズム、とても新鮮でした。

果物の産地、ここ松ヶ岡は今、モモの花が綺麗に咲いています。

『自主的に学ぶ』(平澤 興 一日一言)

「大学は、ただ教えられることを習う受け身の勉強をするところではなく、もっと積極的に自らも考えながら自主的に勉強すべきところだ」。

「自らも考えながら自主的に学ぶ」、学びの基本に思います。「老いて学べば、死して朽ちず」。佐藤一斎先生の『三学戒』の教え。これからも色々と考えながら自主的に学び続けたいと思います。

2021-04-18

思い出の自転車旅、庄内との縁

時々ふーっと昔のことを思い出します。自転車旅、それは、私の人生で思い出多い、青春のヒトコマ。本日は、これまでの自転車旅を少しつぶやきます。

このブログの10月6日に『「ふれあい」と「ゆうがくの会」』の標題で商船高専2年の春休み、島根から四国2/3周自転車旅を紹介。今回は、その続編。小学5年と商船高専3年の春休み、自転車旅の紹介です。

人生最初の自転車旅は、小学校5年生。今から55年前の春。4年生の友達、「ゆうちゃん」と私の故郷、島根県邑智郡一周の自転車旅。

55年前の島根の田舎。道路は、石ころだらけの砂利道。さらにその砂利道は、「中国太郎」の江の川に沿った、山沿いの崖道。勿論、ガードレールはなし。急な下り坂、ブレーキが遅ければ、江の川へダイブ。危険もあり。

「ゆうちゃん」とは、出発の1か月前から地図を見て、旅程を検討。当時は、デイーゼル列車で、隣駅の小学校へ通学以外、他地域への訪問は少なく、他地域は未知なる世界。

地図を見ながらワクワクして計画立案。朝7時に我が家を出発し、邑智郡を一周して午後5時に我が家に帰る環状コースに決定。

訪問する全てが初めての場所、小学生には、『大冒険』。途中でお地蔵さんや小さな滝に遭遇。木の芽吹く晴天の春、とても気持ち良い爽やかな自転車旅。しかし、全て初めての土地、常に緊張感はありました。

私が先導で、「ゆうちゃん」が二番手。時々、後ろの「ゆうちゃん」を見て走行。汗を流し、お腹を空かして食べたおにぎり、美味しかった。夕方、我が集落入り口に到着。安心感で思わず頬が緩む。

午後6時、我が家に着き、母から「ようやったのう」の一言。ちょっと嬉しくなりました。達成感と満足感の一日。今でも忘れません。

自転車旅、その2は、前述した商船高専2年生の春。島根から四国2/3周の旅。四国一周の予定が、暴風雨の強行軍。風邪をひき、高熱でダウン、2/3周の旅に変更。色々な人にお世話になりました。旅は色々な出会いがあります。良い出会いの旅。生涯忘れません。

翌年、商船高専3年生の春休みは、島根から青森まで日本海北上、約1500キロの自転車旅。3月上旬に我が家を出発し、青森市まで20日間。今から50年前の青春。

その旅で記憶に残るは三つ。一つは、鳥取県米子市から兵庫県城崎(きのさき)温泉まで1日160キロ走。

3月上旬の日本海、季節風が吹き荒れ、空は鉛色。国道9号線は、起伏に富んだ地形の海岸線を蛇行。朝7時に米子を出発し、夜8時30分になっても目的地、城崎は見えず。

起伏が激しい9号線、強い向かい風。上り坂は、自転車を押しての走行。空は真っ黒、周囲は暗黒。おまけに空腹。

9号線、車も通らず、今の自分の場所も不明。「参りました」。泣きたい気持ち。しかし、一人旅、頼るのは自分のみ。

「こりゃあかん」と、ヒッチハイクを思いつく。丁度、やってきた車が停車。便乗をお願いすると、「いいけど、この上り坂を上ると城崎への下りだよ」と助言。

自力で城崎への走行を決断。宿に着いたのは夜10時前。きつくて心細い体験、貴重な一日。忘れません。写真は、城崎から福井に抜ける越前海岸での一葉。

記憶に残る二つ目は、鶴岡から7号線を北上中に見た風景。真っ青な空に雪を抱いた鳥海山。「綺麗だな。こんな処に住みたい」と強く思いました。それから20年後、鶴岡市民。毎日、鳥海山を眺めて生活。不思議な縁。50年前の美しい鳥海山、決して忘れません。

青森への自転車旅、最後の記憶は、秋田県の発荷峠から見た十和田湖。能代から大館を経て標高631mの発荷峠へ。

3月中旬、国道130号線は、両側5mの雪の壁。自転車を3時間押し、汗だくで一路発荷峠へ。やっと峠に到着。発荷峠から真っ白な雪の中にエメラルドグリーンの十和田湖の眺望。「素晴らしい」。感動の一瞬。しばらく十和田湖を眺めました。

カメラで何枚も雪の十和田湖を撮影。写真を期待しましたが、十和田湖の写真、何も写っていない。不思議。しかし、雪の十和田湖、今でも私の脳裏に鮮明に写っています。生涯忘れません。

その夜は、「おいらせユースホステル」に宿泊。夜のミーティング、島根から自転車での一人旅を紹介すると、驚きと大歓迎。ちょっと嬉しかった。

十和田湖からは、奥入瀬を通り一路、太平洋へ。下り道の奥入瀬を楽しみました。そして青森に到着。出迎えは誰もいませんが、心の中で小さく「ガッツポーズ」。貴重な青春の1ページ。達成感120%。17歳の青春、20日間の旅。色々なことを経験。両親に感謝。

自転車旅の帰りは、青森から上野経由で島根まで列車の旅。夜汽車に乗りボンヤリ車窓からの風景を眺めていたら、20日間の自転車旅の思い出が走馬灯のように浮かびました。旅、いいですね。

子供達には、自転車旅の話は、あまりしません。しかし、いつの間にか子供達も自転車旅。

次女と三女は、大学生の時に自転車旅。次女、1回目は、仙台から東京へ。2回目は、「白のお遍路装束」で四国88ヵ所巡り。33番札所まで自転車旅。

三女は、鶴岡から南極探検、白瀬 矗(のぶ)の出身地、秋田県金浦へ。また、長男は、中学生の時、「ちょっと秋田まで行ってきます」と言って旅へ。

電車での秋田行きと思いきや、通学自転車にテントと寝袋を積み込み、男鹿半島往復2泊3日の自転車旅。

宿泊地のキャンプ場でご年配の方々から、夕食等をご馳走になったとか。

子供達の自転車旅、それぞれ貴重な経験だったと思います。自転車旅、頼るのは自分の体力と精神力。これが良い。小学5年生の自転車旅、母から「ようやったのう」の一言、今でも忘れません。子供達にもこの言葉を贈ります。経験者だけが分かる一言。親馬鹿ですかね?

昨年3月の山形大定年退職後は、50年ぶりの「四国お遍路自転車旅」を計画。『弘法大使ゆかりの88ヵ所巡り』を考えました。しかし、4月から放送大学でお世話になり、少し「四国お遍路旅」の出発が遅れそう。

次女から引き継いだ折りたたみ式自転車『やっさん2号』で「四国お遍路自転車旅」。これからの夢。

『挑戦する』(平澤 興 一日一言)

「自己に与えられた無限の可能性に挑戦することこそ、最大の人間的な生き方であろう」。

「50、60花が咲き、70、80実が成って、90、100歳熟れ盛り。本当に人生を楽しむのは80歳からである」。これは、平澤先生の教え。これからも「挑戦する」人生を楽しみます。人生、これから。