放送大学は、2学期制で9月下旬と3月下旬に学位授与式があります。我が山形学習センター(山形SC)も9月24日に学位授与式を行いました。本日は、一部再掲も含め少し学位授与式等を紹介します。
令和5年度第1学期、山形SC学位授与者は、13名でした。学位授与式の参加者は、3名。卒業生13名のうち2名は3コースを修了された「生涯学習奨励賞受賞者」。
毎学期1科目ずつ履修している私、それでも単位認定試験は大変。3コースを修了された「生涯学習奨励賞受賞者」の皆さんの凄さを感じ、頭が下がります。
式辞として三つのことをお話しました。その一部を紹介します。
まず、「卒業は、新たな挑戦に向けての出発である。次に、二度ない人生で教養を身に着ける重要性。最後に、生涯、学び続ける習慣の必要性です」。
「まず、卒業は、新たな挑戦への出発である、についてご紹介します。米国では、卒業のことを、コメンスメントと言います。これは「出発」を意味します。私も卒業は、新たな挑戦への出発に思います」。
「現代経営学の開祖で未来学者とも呼ばれたピーター・ドラッガーは、「21世紀に重要視される唯一の能力は、新しいことを学ぶ能力である。それ以外は、全て時間とともにすたれていく」と述べています」。
「言い換えると「これからの時代、新たな事への挑戦が人生を分ける」とも言えます。本質を突いた箴言に思います」。
「私事で恐縮ですが、我が人生を振り返ると、大学卒業は、新たな人生への挑戦、出発でした。それは、大学院での研究生活の始まりです」。
「皆さんがご卒業を一つの節目とし、放送大学で培った幅広い教養を元に新たに挑戦されることを心から期待します。人生二度なしです」。
「二つ目は、「二度ない人生で教養を身に着ける重要性」をお話します。ご存じのように放送大学は、教養学部一学部の大学です」。
「他の大学と異なる点は、卒業までに多面的な教養を学び、それを身につけ卒業することです。これから人生百年時代に向かい、教養はとても重要で、それは、二度ない人生を豊かにします」。
「お茶の水女子大名誉教授で数学者の藤原正彦さんは、『国家と教養』との著書で「教養」とは、「直感力」と「大局観」を与える力だと述べています。私もそう思います」。
「卒業される皆さんは、他大学にない、多様で深い教養を身につけ放送大学を卒業されることに、誇りと自信を持って頂ければ嬉しく思います」。
「東洋哲学の泰斗、安岡正篤先生は、学問し、教養を身に着ける意義を中国の古典『荀子』から紹介されています」。
「夫れ学は通の為に非ざるなり。窮して苦しまず、憂えて心衰えず、禍福終始を知って惑わざるが為なり」。
「学問をするのは、どんな心配ごとがあってもへこたれず、何が禍いで何が幸福かを知り、人生の複雑な問題に直面しても、惑わないためである」。
「学問し教養を身につけることは「知識を習得する」だけでなく、「人物を作る」ことであるとの教えです。学問をし、教養を身につけて、人物を作る、重要に思います」。
「最後に、「生涯、学び続ける習慣の必要性」をご紹介します。幕末の儒学者、昌平黌の総長、佐藤一斎先生の著書に『言志四録』があります。これは、西郷隆盛先生の座右の書です」。
「その中に、「三学戒」という箴言があります。「二度ない人生には、生涯学びの習慣を持つことが、必要である」と言うのが核心です。私もそう思います。ご紹介します」。
「少(わか)くにして学べば、壮にしてなすあり。壮にして学べば、老いて衰えず。老いて学べば死して朽ちず」との箴言です」。
「すでに皆さんは、学びの習慣を持っておられます。是非、継続して下さい」。
学位授与式は30分と短時間でしたが、佳い顔の皆さんに出会え、幸せな気分になりました。皆さんに感謝です。
『失敗にくじけるな』(平澤 興 一日一言)
「どの方面を問わず、偉大な仕事は、たとえば表面に出る成功の何倍も何十倍もの失敗という山脈の中にそびえる一つの峰である」。
「われわれにとって恐ろしいのは失敗そのものではなく、その失敗によってくじけることである」。
「伸びる人にとって失敗は不幸どころか、むしろ幸福への再出発なのである」。
『失敗にくじけるな』、重要な教えに思います。