放送大学山形学習センターの有志による2ヶ月に一度の月刊誌『致知』を通じた「人間学の学び」。今年度第4回を先日開催しました。今回の教材は、『致知2023年9月号』、 「特集 時代を拓く」。
本日は、この特集号に掲載された致知出版社、藤尾社長のリード文を少し紹介します。
「森信三師の『修身教授録』(第一部・第36講「誠」)にこういう言葉がある」。
「実は真実の道というものは、自分がこれを興そうとか、あるいは「自分がこれを開くんだ」というような考えでは、真に開けるものではないようです。(中略)では真実の道はいかにして興るものでしょうか」。
「それには「自分が道を開くのだ」というような一切の野心やはからいが消え去って、このわが身わが心の一切を、現在自分が当面しているつとめに向かって捧げ切る「誠」によってのみ、開かれるのであります」。
「道は、自分が当面しているつとめに向かって捧げ切る「誠」によってのみ開かれる」、分かったような気にはなりますが、この実行は簡単ではないことを痛感します。
森師の「道を開く」を読み、「動機善なりや、私心なかりしや」を常に自分に問い、京セラやKDDIを創業し、JALを再生された稲盛さんの生き方が浮びました。稲盛さんの生き方を見ると「誠」によってのみ道が開けるのが理解出来ます。
さらに藤尾社長は、「時代を拓くとは自分を拓くこと、自分の運命を拓くことである。一つの時代に対し、自分の運命を拓いていける人にして、初めて時代を拓くことができるのである」と述べる。
含蓄のある教えに思います。
そして、時代を拓くリーダーの6つの条件を示す。「1)時代の流れを読み、方向を示すこと、2)必死で働く―会社、仕事、社員に対する愛情と熱意は誰にも負けない、3)自分を磨き続ける」。
「4)集団を幸福に導く、5)犠牲的精神―自分の都合より組織のことを優先する、6)宇宙の大法を信じ、畏敬し、その法則に則り行動する」。
「この条件を徹底、反復、実行する人のみが天から力を授かり、時代を拓くのである。歴史がそれを実証している」。
なるほどと感じます。「この条件を徹底、反復、実行する人のみが天から力を授かる」。稲盛さんの生き方そのものに思います。
参加者からは、6つの条件を肝に銘じたいとの感想。
読書会の1時間30分があっと言う間に過ぎました。「一人で『致知』を読む時と読書会を通じ有志との意見交換を前提に『致知』を読むのでは、読み込む深さが違う」との意見も出ました。
同感です。参加者の皆さんに感謝です。
『因果の法則』(安岡正篤 一日一言)
「人間には奇跡というものはありません。奇跡などというのは研究不足、勉強不足の者の言葉でありまして、原因・結果というものは常にはっきりしておるのです」。
「悪いことをしますと、いつかは悪い結果があらわれ、善いことをすれば善い結果があらわれる、というのは厳粛な自然の法則であります」。
「したがって人間は因果律というものを大事にしなければなりません」。
『因果の法則』、大事にしたいと思います。