前職山形大、最後の8年半は、教育及び国際交流を主たる業務とし、学部や大学院の教育改革にも従事。
先日は、この教育改革等でお世話になった「戦友」教員との楽しい夕食会。約10年前を懐かしく思い出す。少し紹介します。
夕食会、まずは小鉢に7種類のお通し。ビールをグイッとやりながら小鉢をいただく、旨い。5年ぶりの再会、近況報告でビールが進む。私が執行部当時と今では、かなり執行部の雰囲気が違うとか。
具体的な違いを「肴(さかな)」にビールが進む。
さらにお造りが運ばれ、日本酒の熱燗を注文。熱燗をグイッとやりお造りを食す。教育について少し語る。
「学長は、国家観があり、それをもとに若人の教育に関するビジョンを示すことも必要に思う。私がお世話になった学長は、「ソフトパワー大国を目指そう、それには徳育が重要」だと方向性を示した」、と私。
「大学は、原点に返り人を育てることが基本に思う」と「戦友」。熱燗が進む。
そして、焼酎のお湯割りに変え、焼き魚と特製のきのこ汁をいただく。
私が、大学本部の教育担当理事・副学長の時代は、大学改革が重要視されていた時。基盤教育・学部教育・大学院教育の見直しと必要に応じた改革。それに向け知恵を出し、助けてくれたのが「戦友」。
当時の色々な事が思い出された。
その一つが大学の3つの方針の策定とそれを踏まえた教育改革。
3つの方針は、卒業認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)、教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)、入学者受入れの方針(アドミッション・ポリシー)。
2017年(平成29年度)より、すべての大学等が、この3つの方針を一貫性あるものとして策定し、公表することが義務付けられた。
まず、大学全体の3方針を策定し、それをもとに各学部の3方針、さらに学科やコースの3方針を策定。そして、大学には、この3方針に対応する教育の実施が求められた。
国立大学が大きく変わったのが今から19年前、2004年(平成16年)国立大学の独立行政法人への移行。
「国立大学が、自由な運営により、優れた教育や特色ある研究に各大学が工夫を凝らし、より個性豊かな魅力のある大学になるために、国の組織から独立した「国立大学法人」にする」。
この理由で全ての国立大学は、大学法人となる。「法人にすることで、文科省の意向にあまり影響されずに大学も変革でき、多面的な自由度が上がる」と言われたが、そうでもない。
法人化後、各大学は、6年毎に中期目標・中期計画を策定して大学を経営。毎年、大学評価・学位授与機構による各年度の目標及び計画に対する実績評価。
中期目標策定の6年後には、6年間の教育・研究・社会貢献・管理運営等の評価。そして、大学への経費の一部が評価に応じて配分。
「戦友」と杯を交わしながら、私が関わった教育改革を思い出し、山形大の現状と今後について情報及び意見交換の一時。熱燗が進んだ師走の夜。「戦友」に感謝。
『老いを忘れる』(安岡正篤 一日一言)
「真の人物は気概があると共に、どこかゆとりがあって、楽しむ所がなければならぬ。それで初めて老いを忘れることが出来る。また実際に何時までも老いないで暮らすことが出来るのである」。
『老いを忘れる』、「真の人物は気概があると共に、どこかゆとりがあって、楽しむ所がなければならぬ」。肝に銘じたい教えです。