2023-02-27

東北振興研修所『言志録』、『大志と遠慮』

ここ松ヶ岡には、安岡正篤先生の一番弟子、菅原兵治先生が1945年に創設された東北農家研修所がありました。それは、1964年に東北振興研修所と改称され今、そこには、「菅原兵治記念館」もあります。

朝の「忠犬クニオ」との散歩に「東北振興研修所」を通るコースがあり、研修所の掲示板を見ます。そこには、『論語』や『大学』及び『言志四録』等から箴言が記されています。

一昨日、クニオと朝の散歩で、掲示板の『言志録』の箴言を読みました。本日は、一部再掲も含め『言志四録』とその著者、佐藤一斎先生等を少し紹介します。

掲示された箴言は、『言志録27:大志と遠慮』

「真に大志有る者は、克(よ)く小物(しょうぶつ)を勤め、真に遠慮有る者は、細事を忽(ゆるがせ)にせず」。

その訳は、「真に大志ある者は、小さな事柄をも粗末にしないで勤めはげみ、真に遠大な考えを持っている者は、些細な事をもゆるがせにしない」。

重要な箴言、肝に銘じたいと思います。

佐藤一斎先生は、幕末の昌平黌の儒者。『言志四録』として42歳から82歳までに『言志録、246条』、『言志後録、255条』、『言志晩録、292条』、『言志耋録340条』の1,133の箴言を記す。

今回掲示された『言志録』は、先生が42歳から11年間かけて記された箴言集。

一斎先生、美濃の巌邑藩(いわむらはん)の藩士として1772年に誕生。1841年70歳の時、昌平黌の儒官(総長)になり、数千人の門人を育成。明治が始まる9年前、1859年に88歳で逝去。

有名な門人には、佐久間象山、横井小楠、安積艮斎、中村正直等。さらに、象山先生の門下からは、勝海舟、坂本龍馬、吉田松陰、小林虎三郎等の志士が輩出。

そして、松陰先生の門下からは、高杉晋作、久坂玄瑞、木戸孝允、伊藤博文、山県有朋等が輩出され明治維新を形成。

先生は、幕末から明治の日本形成に大きな影響を及ぼした人と言っても過言ではないでしょう。

また、西郷隆盛が、この『言志四録』を愛誦し、その中から、会心の101条を抄録し、金科玉条として座右の箴(いましめ)としたとのこと。

『言志四録』には、生き方の本質が、片言隻句(短い言葉)として凝縮。『言志四録』、味わい深い書です。

明治・大正時代には、多くの日本人が学んだ書とのこと。一斎先生に感謝です。

今回のブログは、『言志四録(一)』(佐藤一斎著、川上正光全訳注、講談社学術文庫)を参考にしました。

『因果の法則』(安岡正篤 一日一言)

「人間には奇跡というものはありません。奇跡などというのは研究不足、勉強不足の者の言葉でありまして、原因・結果というものは常にはっきりっしておるのです」。

「悪いことをしますと、いつかは悪い結果があらわれ、善いことをすれば善い結果があらわれる、というのは厳粛な自然の法則であります」。

「したがって人間は因果律というものを大事にしなければなりません」。

『因果の法則』、当たっています。大事にします。


2023-02-25

「朋あり遠方より来たる、また楽しからずや」

「朋(とも)あり遠方より来たる、また楽しからずや」。私を含めた3名の編集者が、岩波ジュニア新書『博士の愛したジミな昆虫』を2020年に出版しました。

本日は、今週、大阪と高知から鶴岡に来てくれた『ジミな昆虫』編集者との出版祝い等を少し記します。

日本応用動物昆虫学会の全国大会で2011年から「温故知新・昆虫生態学の大先輩から学ぶ」との小集会を5回企画。『ジミな昆虫』は、その時の講演者を中心に執筆者を選定し、編集。

「1970年代から1980年代にかけて応用動物昆虫学会の全国大会では、桐谷圭治、伊藤嘉昭、巌俊一大先輩を初め、多くの昆虫生態学者とその教え子達が活躍し、日本の昆虫生態学を発展させました」。

「これらの大先輩は、現役を引退されましたが、まだまだ活発にご活躍されている方も少なくありません」。

「このような大先輩が、昆虫生態学の研究者として如何に生きてこられたか、その生き方を学び、我々後輩が、それを今後の研究等に活かすことを目的に小集会を企画しました」。

「具体的には、これまでの大先輩の研究の流れやテーマの決定、研究の苦労話や面白さ、今後の研究の方向性等々、後輩が参考になる話と、大先輩の教え子や関係者の諸氏から、大先輩から学んだことや最近の各自の研究等を紹介して頂きます」。

「今回は、第3回として「巌俊一大先輩と愉快な仲間達」と題して、巌大先輩から多面的に学ばれた、大崎直太、沢田裕一、山田佳廣、西田隆義の諸氏から巌大先輩と関係した興味深い話を提供していただきます」。

「この企画は、5年間継続し、毎回、看板となる大先輩及びその関係者の諸氏から多面的に学ぶことを予定しています」。

「この企画を通じ、大先輩にも元気になっていただき、我々後輩も元気になるウイン・ウインの関係を構築し、日本の昆虫生態学発展の一助になれば嬉しく思います」。

これは第3回目の小集会、開催趣旨説明。この小集会は、通常、学会開催中の午後5時から6時30分まで開催し、毎回100人程度の参加者。小集会終了後は、30名程度で居酒屋に行き懇親会、懐かしい思い出です。

3名の企画者の共通点は、ある時期、害虫アブラムシの天敵テントウムシ等を材料に研究したこと。相違点は、私が一番の年長で、3名は約15歳ずつ年齢が離れていること。

私の大学院の指導教員は、常に「若い人から学べ」と助言していました。その助言の影響もあります。

今回、鶴岡で再会して「何故、小集会の企画等を通じ10年以上も付き合っているのか」考えました。

結論は、2人は「人間力と専門力」を備えているからと思います。この2つの「力」がある人は、少ない。

2人とも独創的な研究を学会誌に発表し続けています。研究者として優れた論文を書き続けること「専門力」があるのは魅力です。

「人間力」、これは、記述するのが容易でない能力。今回、お二人と多面的な情報交換をして、お二方の生き方は、現状に満足せず挑戦的なことを発見。二度ない人生に色々と挑戦する、これも魅力、「人間力」です。

また、お二人は、人柄が良い。この人柄も記述の難しい言葉ですが、これは重要です。

さらに一緒に色々と企画して楽しい。これは、仕事を「阿吽(あうん)の呼吸」で行えることにも起因し、共同で企画することの必須事項。

「温故知新・昆虫生態学の大先輩から学ぶ」を5年間企画し、その後継版、「縁尋機妙・昆虫生態学の牽引者から学ぶ」の3回シリーズを2019年から企画中。

「後継版」は第1回を実施し、コロナで対面の学会大会が企画されず、「休眠」。今年は4年ぶりに3月中旬に対面での大会が開催され、「後継版」も再開。大阪で元気な仲間に会えるのが楽しみです。

「朋あり遠方より来たる、また楽しからずや」、若い友人から学べること有り難いです。お二人に感謝。

『人柄』(平澤 興 一日一言)

「人柄ってよく言いますが、やっぱり、人生は人柄によって決まるんじゃないですか」。

「まあ、なるべく人を生かすような生き方が一番いいでしょうね。完全な人間なんていないんですから、人に完全を求めるのではなくて、人の長所を上手に使える人、その人は必ず成功します」。

「それはしかし、長所と短所を本当に分かる人でなきゃならない。これがやっぱり、経験でしょうね。経験と愛情でしょうね」。

『人柄』、重要です。「長所と短所が本当に分かる。経験と愛情」、必要です。

2023-02-23

安岡正篤活学選集『経世瑣言』「知音」に学ぶ

「知音(ちいん)」との短い随想は、「世の中に知音のないほどさびしいことはない」で始まる。本日は、『経世瑣言』に記された「知音」を少し紹介します。

「知音」とは、「自分のことをよく理解してくれる真の人や真の友人」とのこと。

「日本精神の妙所は、尊い感激の対象に没我になって参じてゆく点にある。換言すれば、自分がとびこんでゆける、ぴったり呼吸の合う相手が欲しいのが日本人の気質である」。

「それがあると忽(たちま)ち生活が活気づく。けれどもそんな感激がなければ、これではならぬと知っていても、どうも元気が出ない。面白くない。近代の日本人はつまりこの悩みに苦しんで来たのである」。

「学校に行っても、先生はもはや真実の籠もった心に響く講義をしてくれない。先輩を訪ねても、所謂スイートホームの殻を蓋じて、若者を喜んで迎え、共に飲み共に語ろうてくれることがない」。

「村に帰っても、お寺にも、お社にも、学校にも、役場にも、一向話し相手になる面白い人物がいない。従って面白いこともない」。

「世の中に知音のないほどさびしいことはない」。同感です。

「この頃父を失って、日々墓参の野路にもの思いながら、そのはてしない追想の間に最も懐かしく有り難く思われたことは父母を繞(めぐ)る面白い人々の集いであった」。

「ある漢学者は超然として時流を冷視し、村の人々は何か知らず畏敬しておった。ある神主は万葉集や陶詩などに淫して、往々中学に通う私を半日も捕らえて長談議に耽るのを喜んだ」。

「ある小学校の先生は源平盛衰記や太平記を特に私に与えて、昂然として古武士を語った」。

「ある村翁は炉辺に一酔陶然となると、私に世間というものを説いて本読み学問の実は何にもならぬことを論じつけた」。

「それらがいかに深くこの私に影響していることであろう。そういう人々のいなくなった故山のいかにさびしいことか」。

かつては、村々に味わい深い年配者がいて、そのような方々から多面的に学ぶ文化があったのが素晴らしいと思います。「知音」、重要に思います。「面白い人」、必要に思います。

「考えてみると、高等学校や大学で教わったことなどは、一体どれほどのものだろうか」。

「ただ私にいろいろな刺激を与えたぐらいなもので、ほとんど本質的な何者をも付与してくれていない。むしろ蛇足の感すら覚えることが多い」。

「都会の堕落、農村の荒廃、斉(ひと)しくこの辺に最も深い禍根があるのではなかろうか。我々はもっと知音に富み、また人の為に自ら知音にならなければならない」。

心に残る教えです。

「士は己を知る者の為に死し、女は己を知る者の為に容(かたち)づくるものだ。もっと血の通った、呼吸の合う、心琴の共感することの多い日本を作らねば生きがいが無い」。

味わい深い教えです。

「それに何ぞや、この頃に至っては、十年の交誼も忘れ、国士の礼節も顧みず、相訐(あば)き、相争い、讒誣(ざんぶ)中傷冷嘲漫罵(まんば)維れ事とし、恬(てん)として恥ずることを知らぬ」。

今までも、今も、これからも、このような「恥ずることを知らぬ」人々は存在するでしょう。「恥ずること」の重要性を感じます。

「かかる時こそ真に心ある者は、それぞれ分に応じて、神官となり、僧侶となり、教員となり、農夫となり、役人となり、何によらず、渾(すべ)て人の為に親切な知己、ゆかしい知音になってゆかねばならぬと思う」。

「みずからは世間に不遇ならば天に知を求めて」。

「知音」、何回も読み直しました。短い随筆ですが、色々と考えらされ、心に残る随筆。安岡先生に感謝です。

『明師良友』(安岡正篤 一日一言)

「人間はとかく労を避けて逸に就きやすいように、学問も独りでは往々そうゆう邪路に陥りやすい。そのためにも欲しいものは明師良友である」。

「明師良友は得がたくとも、古人を友とし(尚友)、古典を繙(ひもと)くことによって、或(ある)いは、より以上の感化を蒙(こうむ)ることができる」。

『明師良友』、重要に思います。「古人尚友、古典の繙き」、必要に思います。

2023-02-21

「所長と学生の皆さんとのお話し会、その2」

山形学習センター(山形SC)は、3つのセンターを目指しています。

それは、1)地域の文化や高等教育の中心として多彩な皆さんが集う「結縁のセンター」、2)日本と外国の方が学び交流する「多文化交流のセンター」、3)人生を如何に生きるかを学ぶ「人間学の学びのセンター」です。

そして、学生さんの満足度が高いセンターになるよう創意工夫しています。その一つが、「所長と学生の皆さんとのお話し会」。この「お話し会」での意見等も参考に満足度の高い山形SCに向けた改革も実施。

本日は、2月18日に開催した本年度第2回目の「所長とのお話し会」について少し記します。

参加者は、3名でしたが、「三人寄れば文殊の知恵」。皆さん「学ぶ意識や意欲」が極めて高く、とても刺激的な「お話し会、その2」。「大学での学びとは、何か」も含め、多面的な意見交換をしました。

「大学での学びは、ゼミ等を通じた多面的で自主的な学びではないだろうか」と私の大学生活や山形大での我が研究室での学生さんとの学びに少し触れました。

山形SCでも9つの「学びのサロン(ゼミ)」があり、その参加者から色々な「サロン」の話や感想が紹介。

放送大学の学生の皆さんと接して感じるのは、「知的好奇心が強い」ことです。これは、驚きです。

この「驚き」に触れ、私の専門の昆虫生態学の世界的権威、英国人研究者との共同研究の話を紹介しました。

その研究者は、鶴岡に10回程度来てくれて共同研究を実施。毎回、農学部で教員や学生向けの講演会を企画。

ある講演会で、「英国のノーベル賞受賞者数は、人口当たりで見ると世界で一番である。このような結果が生じる理由は何か」と質問しました。

氏は、「その理由は分からない。英国では、他の人と違うことを評価する文化がある。さらに知的好奇心を尊重する。しかし、この知的好奇心は、教えることが難しく、自分で獲得するしかないだろう。他との違いの評価や知的好奇心は、独創的な研究に繋がっているかもしれない」と言いました。

これまで多くの国の研究者と国際共同研究を行いましたが、皆さん知的好奇心の旺盛な方々ばかり。そのような研究者との共同研究は、楽しく刺激的で学びが多いことを経験。

私の「サロン」でも、参加学生の皆さんは知的好奇心が強く、皆さんから刺激を受けています。

「お話し会」出席者からは、「大学では、場を設定することが重要だろう。そのような場があれば、学生は自主的に学ぶのではないか」との意見。私もそのように思います。

大学での「学びのサロン」の必要性を再認識しました。

本日は、「お話し会、その2」から大学での学び等を少し紹介しました。

「お話し会」に出席していただいた皆さんに感謝です。

『よい習慣をつくる』(平澤 興 一日一言)

「習慣になるまでは、たえず自分をいましめて自分を矯正、直さねばならんのであります。一日や二日や三日やって習慣にはならんのであります」。

「何年かやって、何年やってでも習慣のある部分はちょっと気を許すと元の木阿弥になりますが、たえず毎日がよい習慣をつくるその場だと思います」。

『よい習慣をつくる』、とても重要に思います。

2023-02-19

山形大学長特別講演会、『戦うSDGs入門』

山形大学長特別講演会、『戦うSDGs入門:ガラパゴス化しないSDGs戦略』が、2月16日に対面及びオンラインで開催。オンラインで参加しました。本日は、その講演の一部を紹介します。

私が、SDGsを学び始めたのは、今から4年前、ペルーの首都リマで日本・ペルー学長会議が開催され、学長代理として出席した時でした。

その会議の主題が、「1)SDGs達成に向けた日本とペルーの大学の役割に関する意見交換と、2)両国の大学間の教育研究協力及び、学術交流の更なる深化と、協働」。

山形大のSDGsに関する研究を紹介し、多くのペルーの大学の学長が関心を示しました。

今回の『戦うSDGs入門』聴講目的は、2月28日開催予定「やまがた夜話」の参考にするためでした。私の「夜話」での演題は、『自然の調和の解明と活用及びSDGs』。講演では、SDGsについて少し紹介する予定。

私の講演用に準備しているパワポ資料と構成が『戦うSDGs入門』と、一部類似して少し驚きました。

「小括」として、「1)SDGsは、人類に突きつけられた挑戦、2)環境への更なるダメージを食い止め好転させることを目指す、3)そのためには連帯が必要。質の高い活動を多くの主体が広範囲で持続的に行うには、善意だけでなく、ビジネスマインドが必要」とのこと。

持続可能な開発目標(SDGs)は、確かに「人類に突きつけられた挑戦」で、「環境への更なるダメージを食い止め好転させることを目指す」ことなしには、地球環境の永続的な存続は難しく思います。

都合で講演の6割程度しか聴講できませんでしたが、勉強になった講演でした。

演者に感謝です。

『思考の三原則』(安岡正篤 一日一言)

「私は物事を、特に難しい問題を考えるときには、いつも三つの原則に依るように努めている」。

「第一は、目先に捉われないで、できるだけ長い目で見ること、第二には物事の一面に捉われないで、できるだけ多面的に、できれば全面的に見ること、第三に何事によらず枝葉末節に捉われず根本的に考える、いうことである」。

「目先だけで見たり、一面的に考えたり、枝葉末節からだけで見るのと、長期的、多面的、根本的に考えるというのとでは大変な違いがある」。

「物事によっては、その結論が全く正反対ということになることが少なくない。我々は難しい問題にぶつかる度にこの心がけを忘れてはならぬ」。

SDGsのような「人類に突きつけられた挑戦」を考えるには、『思考の三原則』が不可欠。『思考の三原則』、肝に銘じたいと思います。

2023-02-17

「やまがた夜話、第二弾」、『温泉の化学』

「大学コンソーシアムやまがた」主催、「放送大学山形学習センター教養講座」の「やまがた夜話」、第二弾『温泉の化学』を2月14日に開催。本日は、それを少し紹介します。

講師は、放送大学客員教授で山形大学教授の近藤先生。専門は、有機化学・分子認識化学、理学部担当。

   

 

講演は、「温泉の定義」に始まり、「分類」、「効能」、「匂い」、「色」、「肌触り」、「味」等、温泉に関する多面的な情報を教授いただきました。

平成27年には、宿泊で温泉に行った人は、1億3千万人。外国人が日本でやりたいことの4番目が温泉旅行。温泉は、日本人だけでなく外国人にも人気のようです。

今回は、講義の目的の一つが、「「温泉分析書」を読めるようになりましょう」とのこと。私も温泉が好きなので、温泉にはよく行きます。「温泉分析書」が、脱衣所に掲げてあるのを知っていました。

しかし、ジックリ「温泉分析書」を読んだことはありません。次回、温泉に行った時は、それをジックリ読み理解したいと思います。

また、山形市内には、強酸、塩、芒硝等、色々なタイプの温泉があるとのことでした。我が家から車で10分程度の距離に2つ、車で20分程度の処に4つ温泉があります。

どんなタイプの温泉なのか気にかけていませんでしたが、これからは「温泉分析書」を見て温泉チェックをしたいと思います。

「夜話」の講演、アッと言う間の45分、とても楽しみました。近藤先生に感謝です。

「♪生きるとは学ぶこと、♫学ぶのは楽しみ♪」

「♪生きるとは知ること、♫知ることは喜び♪」。

これは、放送大学学歌の一部です。この歌詞、今回も実感しました。

この「夜話」、「山形学習センター教養講座」は3回シリーズ。次回3回目は、私が「自然の調和の解明と活用及びSDGs-無肥料・無農薬のお米作り等-」の演題で小話を予定しています。

講義室での講演とZoom配信のハイブリッドです。関心のある方は、山形学習センターにメールで申し込んで下さい(ymg-sc@ouj.ac.jp)。2月28日(火)18時30分~19時30分。日本全国、どこからでも聴講できます。

2週間後です。これから講演準備を楽しみたいと思います。

『最高の生き方』(平澤 興 一日一言)

「今が楽しい。今がありがたい。今が喜びである。それが習慣となり、天性となるような生き方こそが最高です」。

『最高の生き方』、単純な教えですが、心に残る教えです。 

2023-02-15

市役所の優秀な部長さんと面談、「優秀とは」

これまで3年間、山形学習センターの広報活動として市役所や町役場、小中高等学校、教育委員会、民間企業、病院、国際交流機関等を訪問し、色々な人と会い、放送大学を紹介して、多面的に学びました。

本日は先日、市役所を訪問し、「優秀な総務部長さん」と面談しましたので、それを少し紹介します。

「優秀とは、何か」。これは、人それぞれ感ずるところは異なると思います。小中高等学校では、学業成績の良いことが、「優秀」な尺度の一つでしょう。

また、研究者であれば、独創的な研究を公表し続ければ、優秀な研究者とみなされます。

「優秀」さは、職種や職階で多少違うこともあるかも知れません。

一方、社会に出ると「学生時代の学業優秀」が、必ずしも「優秀な人」にはつながりません。

総務部長さんに電話で面談を依頼し、快諾。これまで3年間、電話で数多くの面談依頼をしました。電話で快く会話ができる方は、面談しても気持ち良い方が、多い傾向にあります。

面談の当日は、部長さんだけでなく総務部職員課長、職員課人材育成係長も同席。おそらく部長さんの指示だと思います。

部長さんが放送大学の紹介を受け身で聞くのなら、部長さんだけで十分です。これまで20程度の市役所や町役場を訪問しましたが、ほとんどは部長もしくは課長のみ。そして、放送大学の説明を受け身で聞く。

この部長さんは、職員課長や人材育成係長も同席させ、さらに人材育成に放送大学の授業を活用したいとの姿勢も感じました。これが「優秀な部長さん」と思った一因。

これは簡単なようでそうでもない。「これは、自ら考えるプロセスの有無と、自ら積極的に考える程度の強さと思います」。「自ら考える」、簡単なようでそうでもないです。

課長さんや係長さんからも放送大学の教育プログラムを積極的に人材育成に活用したいとの姿勢が読み取れました。

面談が終了し、学習センターに戻り、役立つと思われる資料をすぐに郵送。迅速で積極的な対応、必要です。これも簡単なようで、そうでもない。

これまで研究生活等に40年程度携わり、10カ国以上の研究者と国際共同研究を実施。さらに30年以上関連学会でシンポジウムや自由集会等も企画。

これらを通じて感じるのは、優秀な研究者は、対応が早く的確。一方、「優秀度ひかえめ」の研究者は、反応が遅く、積極性を欠く人が多い。さらに、優秀な研究者との共同作業は、楽しくワクワクします。

久しぶりに「優秀な市役所職員」の方々に会い、気持ち良い面談。そして、色々と考えさせられた面談でした。また、優秀な人は、人間力と専門力を有していると感じます。面談の市役所職員の方々に感謝です。

『いつも明るい顔で』(平澤 興 一日一言)

「実際のところ、嬉しいときに嬉しい顔をしておるのは、これはもう誰にでもできるのでありますが、色々嬉しくないことがあります」。

「そういう場合にでも決して慌てず騒がず、他の人が見ると全く平和な日と同じように見えるような顔、そういう顔を実際に私の周囲でも知っております」。

「これは平凡ではありますが、ある意味では人間の修練の最後の段階かもしれません」。

「したがってそれは、ぼけてそういう顔は駄目なのであります。同時に安らかな顔ではありますが、絶えず求めている、絶えず人間としての向上を目指さないところには、そういう明るい顔は出ないのであります」。

「退屈をするような人間にはやはり退屈の表情しか出ないわけであります」。

『いつも明るい顔で』、簡単な教えですが、簡単ではありません。多彩な方々との面談、『いつも明るい顔』、必要です。

2023-02-13

庄内藩と西郷南洲翁、『南洲翁遺訓』

先日、私の書斎を掃除中に酒田市『南洲神社』の宮司さんから頂いた『南洲翁遺訓』を発見。本日は、一部再掲も含め「庄内藩と西郷南洲翁、『南洲翁遺訓』」を少し記します。

南洲翁と庄内は、浅からぬ縁。その一つに、庄内藩が西郷南洲翁の大慈悲により戊辰戦争で徹底抗戦を免れたことがあります。

その縁で、庄内藩主が、明治の初めに庄内藩士を鹿児島に派遣し、彼らは、南洲翁から色々と学びました。その学びを記したのが『南洲翁遺訓』。遺訓は41条と追加の2条から構成されています。

遺訓25 「人を相手にせず、天を相手にせよ。天を相手にして、己れを尽して人を咎(とが)めず、我が誠の足らざるを尋ぬ可し」。

心に留めたい凄い箴言です。

また、27歳の時、8名で京セラを設立され、52歳で第二電電(KDDI)、さらに78歳で日本航空再生に携われた稲盛和夫さんは、『人生の王道:西郷南洲の教えに学ぶ』との著書を2007年に出版。これは、『南洲翁遺訓』の紹介と解説です。

その中で、「「尊敬する人物、理想とする人物と問われたら、すぐに頭に浮かぶのは、西郷です」と記されています。

また、「私はこれまで、『南洲翁遺訓』を座右に置き、幾度も読み返してきました。そのつど、生きていくうえでの貴重な示唆を得てきました。経験を重ね、人生で年輪を重ねるほどに、本書から得られる教訓は、ますます私の心に深く刻まれていきました」。

「それは西郷の教訓が、人生の苦しみや悩みに直面し、それに逃げることなく対処していくなかで生み出され育まれた、まさに人間が正しく生きていこうとするうえでの普遍的な真理があるからでしょう」。

「我々日本人は今こそ、そのような西郷の生き方、哲学、行動をしっかりと記憶に留め、新しい時代を切り開いてゆくべきではないでしょうか」と述べています。

『人生の王道』を今、再読したいと思います。

私が住む松ヶ岡の多くの家には、南洲翁の肖像画が掲げられています。勿論、我が家も掲げています。これは、南洲翁の恩を忘れないことも一つの理由と思います。

南洲翁は、松ヶ岡開墾士に「気節凌霜天地知」の箴言を揮毫。

松ヶ岡の各家には、大正15年12月に記され、五箇条から成る松ヶ岡開墾場綱領があります。

「気節凌霜天地知」の箴言は、『松ヶ岡開墾場綱領』にも記され、これは、明治の初めに3000人の武士が松ヶ岡を開墾した、その事業の精神となった言葉です。

「気節凌霜天地知の箴(しん=いましめの言葉)は、我が松ヶ岡の精神なり、之を服膺(ふくよう=心にとどめて忘れず行うこと)して節義廉恥(節度を守って正義を重んじ、恥を知る心)を振起す(奮い立つ)べし」と記されています。

「気節凌霜天地知」、「困難辛苦に遭遇した場合それを凌ぎぬく強い心(気節)を以て取り組めば天地の神も之を知り応えてくれる」との意味。味わい深い箴言です。

『最も伸びる人』(平澤 興:一日一言)

「私は人間が真に事をするにはただ秀才、鈍才というような能力だけはでなくて、むしろそれよりも大事なものがあるのではないかと思います」。

「それは人柄です。その人柄のうちでも、なにが一番大事かというと、どうも誠実ということかと思います」。

「「誠実ということだけではいかんよ。そう簡単ではないよ」といわれる方もいますが、大局的に長い目でみますと、やはり、誠実な人柄が最も伸びるんではないかと思います」。

南洲翁が、日本人に好まれる理由の一つに「誠実」があるのかもしれません。

南洲翁の人柄、まさに誠実そのものに思います。時代がいくら変わろうとも、「誠実な人柄」、重要に思います。

2023-02-11

広報活動、「楽しい出会いと縁と学び」

放送大学は今、2023年度1学期(4月入学)学生募集中、〆切は、3月14日です。今、広報活動中。

2月上旬、ある企業を訪問し、社長さんに放送大学を紹介して、多面的な情報及び意見交換。そして、四方山話にも花が咲きました。本日は、「広報活動、「楽しい出会いと縁と学び」」を少し記します。

放送大学の職業別学生数で最も人数が多いのは会社員。約9万人の学生のうち23%、約2万人です。

3年前、新聞記事で「人間力を高めること大切」との見出しでIT企業の社長さんのインタビュー記事を一読。是非、お会いしたいと思っていたのが実現しました。

「欲しいのは明るく元気で積極的な人材。当社のモットーだ。創業当初から採用に力を入れており、知識や技術より人間性を重視する」。

「人に好かれることは重要で、好かれればお客さまに選んでもらえ、同僚に助けてもらえる」。

「すべての土台は人間性。立派な技術者である前に人間力を高めることが大切だ。人間力のある人間は仕事でも伸びる」。

全く同感です。人間力の重要性、痛感します。前任の山形大で「人間力と専門力のある人材育成」の教育改革を担当し、当時が懐かしく蘇りました。

そして、会社では『人間力を学ぶ月刊誌、致知』の読書会を毎月一度実施。『致知』についても話が盛り上がりました。

さらに毎朝、ラジオ体操と朝礼。IT企業では、社員の服装の自由度は高い傾向にあるが、「服装はキッチリとし、ワイシャツにネクタイ」とのこと。

体操、朝礼、服装、これらの習慣も重要に感じました。

最も影響を受けた人物は、京セラ創業者の稲盛和夫さん。『動機善なりや、私心なかりしか』等数え切れない教えとのこと。

社長さんは、稲盛さんが創設された盛和塾の元塾生。私も元塾生でしたので盛和塾に関しても話が盛り上がりました。

さらに、イエローハット創業者で掃除哲学の鍵山秀三郎さんからも大きな影響を受けたとのことでした。会社では、社員の方々と一緒に「掃除哲学」も実践、凄い社長さんです。

一番の教えは、『凡事徹底』。「誰にでも出来ることでも何十年と徹底して続ければ誰にもできないことになる」。

これも学びの一つです。習慣の重要性を感じます。

また、一倉定さんの『会社は社長の器以上に大きくならない』も衝撃を受けた学びとのこと。

これも心に留めたい学びです。

面会は、短時間でしたが多面的な話に花が咲き、刺激的な出会いでした。

山形学習センターでは、2年前から「市民講座:シリーズ人間学を学ぶ」を開催しています。その講師をお願いしました。朗報が届き、講演していただけるのを期待しています。

会社は爽やかな雰囲気で社員の皆さんの対応もとても心地よく感銘を受けました。お別れは、寒い中、玄関の外で最敬礼、社員の方々も総立ちで見送ってもらいました。

今までこのような社長さんや会社に出会ったことはありません。さらに大きく発展する会社に思いました。

「人は石垣、人は城」とは、三橋美智也さんが歌った『武田節』の一節。組織は、人が全てに思います。「人間力のある人を育てる会社、社員を大切にする会社」、重要に思います。

今回の会社訪問、「楽しい出会いと縁と学び」を感じ、感動の出会いでした。社長さんや社員の皆さんに感謝です。

『なによりも大切なこと』(平澤 興 一日一言)

「なによりも大切なことは、人を生かすことである。そして、その人に喜びと勇気と希望を与えることである」。

今回お会いした社長さん、「人を生かし、その人に喜びと勇気と希望を与え」、会社を経営されていると思います。『なによりも大切なこと』、本質をついた箴言です。