ここ松ヶ岡には、安岡正篤先生の一番弟子、菅原兵治先生が1945年に創設された東北農家研修所がありました。それは、1964年に東北振興研修所と改称され今、そこには、「菅原兵治記念館」もあります。
朝の「忠犬クニオ」との散歩に「東北振興研修所」を通るコースがあり、研修所の掲示板を見ます。そこには、『論語』や『大学』及び『言志四録』等から箴言が記されています。
一昨日、クニオと朝の散歩で、掲示板の『言志録』の箴言を読みました。本日は、一部再掲も含め『言志四録』とその著者、佐藤一斎先生等を少し紹介します。
掲示された箴言は、『言志録27:大志と遠慮』。
「真に大志有る者は、克(よ)く小物(しょうぶつ)を勤め、真に遠慮有る者は、細事を忽(ゆるがせ)にせず」。
その訳は、「真に大志ある者は、小さな事柄をも粗末にしないで勤めはげみ、真に遠大な考えを持っている者は、些細な事をもゆるがせにしない」。
重要な箴言、肝に銘じたいと思います。
佐藤一斎先生は、幕末の昌平黌の儒者。『言志四録』として42歳から82歳までに『言志録、246条』、『言志後録、255条』、『言志晩録、292条』、『言志耋録340条』の1,133の箴言を記す。
今回掲示された『言志録』は、先生が42歳から11年間かけて記された箴言集。
一斎先生、美濃の巌邑藩(いわむらはん)の藩士として1772年に誕生。1841年70歳の時、昌平黌の儒官(総長)になり、数千人の門人を育成。明治が始まる9年前、1859年に88歳で逝去。
有名な門人には、佐久間象山、横井小楠、安積艮斎、中村正直等。さらに、象山先生の門下からは、勝海舟、坂本龍馬、吉田松陰、小林虎三郎等の志士が輩出。
そして、松陰先生の門下からは、高杉晋作、久坂玄瑞、木戸孝允、伊藤博文、山県有朋等が輩出され明治維新を形成。
先生は、幕末から明治の日本形成に大きな影響を及ぼした人と言っても過言ではないでしょう。
また、西郷隆盛が、この『言志四録』を愛誦し、その中から、会心の101条を抄録し、金科玉条として座右の箴(いましめ)としたとのこと。
『言志四録』には、生き方の本質が、片言隻句(短い言葉)として凝縮。『言志四録』、味わい深い書です。
明治・大正時代には、多くの日本人が学んだ書とのこと。一斎先生に感謝です。
今回のブログは、『言志四録(一)』(佐藤一斎著、川上正光全訳注、講談社学術文庫)を参考にしました。
『因果の法則』(安岡正篤 一日一言)
「人間には奇跡というものはありません。奇跡などというのは研究不足、勉強不足の者の言葉でありまして、原因・結果というものは常にはっきりっしておるのです」。
「悪いことをしますと、いつかは悪い結果があらわれ、善いことをすれば善い結果があらわれる、というのは厳粛な自然の法則であります」。
「したがって人間は因果律というものを大事にしなければなりません」。
『因果の法則』、当たっています。大事にします。