ユタ州立大学教授の「心友」とは、30年以上も家族を含めた交流をしています。本日は、一部再掲も含め「気が合う」ことに触れ、「心友」との交流の一端を少し紹介します。日米共同研究(3)、最終編、交流。
私と「心友」が知り合うきっかけの一つは、2人とも英国ノーリッジの「親方」の研究室に留学したこと。その研究室には、世界各国の研究者が訪問し、「親方」と共同研究を実施。
「親方」は、2000年に『Insect Predator-Prey Dynamics』との専門書を出版。その序文に「世界の7人の同僚との共同研究を通じ刺激を受け、それは研究の進展に大変役だった」。
「それらの研究者は、B. Agarwala, T. Evans(心友), J-L. Hemptinne, I. Hodek, P. Kindlmann, Z. Ruzicka, H. Yasuda(私)である」と記す。
この7人衆は、「親方」グループを形成し、国際会議等で一緒になると「親方」を中心に食事会やエクスカーション(視察旅行)を楽しむ仲。
写真は、ケンブリッジ大学を訪問した時の、「親方」とインドの研究者及び留学したノーリッジ、イーストアングリア大学。
ポルトガルで国際シンポが開催されたときも「親方」グループでエクスカーションに行く事になった。私は何となく独りでボヤーッとしたくなり、それには参加しないことにした。
「心友」が私の処に来て、「ヒロ(私のこと)、明日のエクスカーションどうする?」と聞く。「行かずに、海辺を散歩してボヤーッと一日過ごす」と応える。「ヒロが行かないなら、私も行かず、ヒロと海辺を散歩する」と言う。
「気が合う」。その日は、2人で冗談を言い合いながらゲラゲラ笑って海辺を散歩。楽しく思い出に残る一日。「心友」とは、一緒にいて面白く、楽しい仲。「気が合う」。
「気が合う」、何が主因かとフト考えることがある。結論としては、よく分からない。
私と「心友」の共通項は、1)適度にお酒を愛する。2)ユーモアを楽しむ。3)好奇心が旺盛。4)割とノンビリしている。5)気配り。6)山登り等を好む。7)研究のテーマが類似し、研究を楽しむ...。
共通項は示せても、主因は、不明。8)一緒にいて楽しい、話して楽しい。9)気楽につき合える等は重要かもしれない。10)色々な話をしてお互い相互に学べることも必要に思う。
インターネットで「気が合う」を調べたら、「気が合うと思う人の10の特徴や理由」が記されていた。
1.育ってきた環境が似ており、価値観が合う。2.初対面から直感的に好印象を抱く。
3.普段の行動だけでなく、趣味嗜好が似通っている。4.無駄な気を遣わず、一緒に居て落ち着く。
5.金銭感覚がお互いに似ている。6.笑いのツボが同じで、話していて楽しい。
7.二人っきりで無言になっても気まずくない。8.会うと自然と笑顔になれる人。
9.見てるだけで、考えが理解できる。10.仕事に対する姿勢もお互いに似ている。
「10の特徴や理由」を読み、「これアタットル」と思う。
「心友」は、何回も山形大に来てくれ、学会での特別講演や共同研究を実施。そして、我が家やお寿司屋で日本食の夕食や日本酒を楽しむ。一度は奥さんと一緒に我が家に滞在。
さらに息子さんと娘さんも我が家を訪問。息子さんはALT(外国語指導助手)として秋田県の中学校で英語教師。家族も含めた交流。日本人でも家族を含めて交流している友人は僅か。
奥さんも含めた我が家での夕食時、色々な話に花が咲く。新渡戸稲造博士の話をすると「Oh! Uncle Inazo(それは、稲造大叔父のことだね)」と言って、博士を知っていたのには驚き。
さらに話を続けると博士の奥さん、メアリーさんと「心友」の先祖は親戚で、氏の親戚では「Uncle Inazazo」で皆、博士を知っているとか。世間は狭い。
「心友」との思い出は数多く、それらは尽きることはない。楽しい友と人生の時間を共有する、最高。「気が合う」友人、有り難い。「心友」に感謝。
『勝縁を結ぶ』(安岡正篤 一日一言)
「平生からおよそ善い物・善い人・善い教・善い書物、何でも善いもの・勝れているもの・尊いものには、できるだけ縁を結んでおくことです。これを勝縁といい、善縁といいます」。
「とにかく、折角善い人に会い、善い書を見、善い話の席につらなりながら、キョトンとしたり、欠伸をしたり、そっぽを向いたりしている人間はだめであります。うつけ者です」。
「大体そういう人間なら、諸君は決して事を共にしてはいけない。そういう人間を友にしてはいけない」。
「むしろ何でもないようなことでも、耳を傾けたり、眼を光らせたりする人であったら、何か見どころのある人間なのです」。
「もちろん形骸は眠っておるようでも魂が輝いておる人もおりまして、凡眼ではなかなか見わけがつきません」。
最近、この『勝縁を結ぶ』の重要性を痛感しています。