2022-04-30

『自然との共生をめざすコメ作り』出版祝い

『自然との共生をめざすコメ作り―江戸時代に学ぶ新農書―』が、2021年7月7日に出版されました。

本書は、13年間一緒に無肥料・無農薬・無除草剤でイネを栽培した「自然共生田んぼ」での共同研究者、友人達の著書。

「出版のお祝い会」が、コロナで延期中でしたが、先日、お祝いをしました。本日は、一部再掲ですが、本書の紹介等を記します。

「この本は、研究者向けの専門書でも、コメ増収のハウツー本でもありません」。

「この本は、「イネとはどんな作物なのか」、「田んぼとは、どんな農地なのか」、「無肥料・無農薬でコメを作るとは、どういうことなのか」、「たくさんコメをとるには、どうイネと関わればいいのか」、などなど」。

「まるで小さな子供のように「どうして?」、「なぜ?」を繰り返しながら、自分たちなりに答えを見つけようとした13年間の「報告書」です」。

これは「まえがき」一部抜粋。

本書は9章より構成され、「第1章 無肥料・無農薬で多収する」で始まる。そして、「イネ」を中心にした紹介の「第2章 イネの植物としての特徴と性質」、「第3章 イネの性質と栽培管理」と続く。

さらに、「田んぼ」に焦点を当てた「第4章 田んぼの特徴」、「第5章 田んぼの科学」、「第6章 田んぼとイネの関係」に触れる。

著者らが江戸時代の農書を学び発見した驚くべき事実と、その今日的活用を紹介した「第7章 江戸時代の農書に見る多数回中耕除草法」、「第8章 江戸時代の多数回中耕除草法を現代に生かす」。独創性が高い章。

そして、最後の「第9章 自然との共生をめざすコメ作り」で本書は終わる。

写真は、「自然共生田んぼ」で必須な除草機による機械除草。

「自然と共生するコメ作りを始めると不思議な感情・感覚が芽生えてきます。イネがかわいいと思えてきます。イネだけでなく田んぼにいる生き物と仲良くなった気になります」。

「自分が自然と一体になったような気にもなってきます。そして、田んぼに入ると、何となくやさしい気持ちになれます」、と最終章に記す。著者らの「夢」で、「第9章」を締めくくる。

本書は、『自然と共生をめざすコメ作り』を通じ、これからの農業や21世紀を生きる私達の生き方についても貴重な示唆に富む書である。

また、現代科学が「分析的手法」を中心に進むのに対して、「総合化」の必要性についても警鐘を鳴らす。現代科学に関しても多面的に考えさせられる。

「お祝い会」では、13年間、紆余曲折の共同研究の思い出に花が咲いた。さらにこのような農業は、「如何に生きるか」との生き方、人生観にも通じ、誰もが挑戦できる農法ではないとの意見で一致した。

このような共同研究が実施できたのは、「縁ですね」と「結縁」の重要性を再認識。

13年間の共同研究では、研究者の出入りもあったが、著者らの研究への熱さは変わらず、方向性にブレはなかった。研究への「心意気」や「高い志」が、13年の研究を継続させ、本書の出版に繋がったと感じた。

研究者としての一徹さや生き方等を通じた「研究者魂」を感じる。このような書が世に出たことを大変嬉しく思う。そして、著者らの出版までの尽力に心から敬意を表したい。感謝。

「♪友を選ばば書を読みて、♪六分の侠気、♪四分の熱♪」。

これは与謝野鉄幹の「人を恋うる歌」。この一節がフト浮かんできました。

「持つべきは、よき友なり」。

『ど根性』(平澤 興 一日一言)

「燃えて燃えて燃えつくす時、必ず道は開けると信じます」。

「仕事は人であり、心であり、その燃焼である」。

「人生に絶対に重要なことは、いわゆる、よい頭ではなく、「誠」に徹した火の如き、「ど根性」であります」。

13年間の『自然との共生をめざすコメ作り』。それは『ど根性』も支えていたように感じます。『ど根性』、重要に思います。

2022-04-28

山形SC第1回、「客員教員打合せ会」

放送大学には、全国の都道府県に50ヶ所の学習センターがあり、そこでは、所長、事務長、事務職員と客員教員が職務に従事しています。

山形学習センター(山形SC)では、山形大と保健医療大の先生に客員教員をお願いしています。昨年度までは、6名でしたが、今年度から2名増員し8名の先生方にお世話になっています。

そして、昨年度から「客員教員打合せ会」を始め、本年度第1回の「打合せ会」を4月22日に開催。本日は、その「打合せ会」について少し紹介します。

客員教員の職務は、1)所長の補佐に関すること、2)面接授業、公開講座等の企画立案及び実施に関すること、3)学生の学修上の各種相談及び指導に関すること等を含め5項目。

客員教員打合せ会の目的は、「客員教員が山形SC運営の現状等を理解し、教員から山形SC運営の課題等に関して知恵や提案を頂くこと」。「打合せ会」は、1年に3回実施しています。

まず、新年度の運営方針や計画等を紹介する4月の「打合せ会」。そして、10月に進捗を紹介し、3月には1年間の総括。昨年度は、多面的な意見や知恵をいただき実り多い「打合せ会」でした。

客員教員の専門は、社会科学、人文科学、自然科学等、幅広く多様です。

昨年度から通年で始めた「学びのサロン(ゼミ)」は、専門によりやり方が多様でした。その情報や意見交換で、各先生は学生さんの満足度が高くなる「サロン」へ修正。これも「打合せ会」での学びでした。

「打合せ会」では、まず、山形SCの運営方針「学生の視点に立ち教育及びその支援を行い、学生の満足度の高いセンターを目指す」を紹介。

そして、1)地域の文化や高等教育の中心として多彩な皆さんが集う「結縁のセンター」、

2)日本と外国の方が学び交流する「多文化交流のセンター」、3)人生を如何に生きるかを学ぶ「人間学の学びのセンター」を目指し、このセンター達成への具体策に触れました。

さらに、1)面接授業、2)広報活動、3)公開講座及び講演会等、4)学びのサロン(ゼミ)、5)その他の職務の担当者を決め、所長補佐業務を依頼。

若くて優秀な教員の皆さんのお知恵を頂き、山形SCの運営方針や3つの目標の達成に向けて尽力します。

客員教員や職員の皆さんと一緒に「学生の視点に立ち教育及びその支援を行い、学生の満足度の高いセンター」の達成に向け楽しく職務を遂行する予定です。

日々お世話になっている学生の皆さんや客員教員及び職員の皆さんに感謝。

新年度が始まり、山形駅構内通路の天井、山形SC紹介看板も少し衣替えです。

『目標を持つ』(平澤 興 一日一言)

「苦労しても目標を持っている間は、人間が光っている」。

人生、その場その場で「目標を持つ」、必要に思います。「人から出るオーラ」、重要に思います。

2022-04-26

世界的な数学者の岡潔先生と情緒

忠犬クニオとの朝の散歩。散歩中は、道端にある草花や鳥及び昆虫等との出会いを通じ、季節の移り変わりを感じています。さらに色々と思索し、良い考えが浮かぶこともあります。

先日は散歩中に世界的な数学者、岡潔先生のことを思い出し、先生の著書等を読み返しました。本日は、先生について少し紹介します。

先生は、明治34年(1901年)に生まれ、1925年京都帝国大学を卒業と同時に京都帝大講師に就任。1929年フランスに留学し、生涯の研究テーマとなる「多変数解析函数論」に出会う。

後年、その分野において世界中の数学者が解けなかった「三大問題」を、たった一人で全て解決。京都帝国大学の他、広島文理科大学、北海道大学、奈良女子大学等で教鞭を執る。1960年、文化勲章受章。

1963年に朝日出版文化賞を受賞した『春宵十話』を初め、多くの随筆を著す。78歳で逝去。

先生は、「研究テーマに関して色々と模索し、やるべき研究がやっと分かった。しかし、どのように研究すべきか、全く分からなかった」、と著書で述懐。その述懐を散歩中にフト思い出しました。

私も大学院に入学し「生物群集は安定しているのか、もしそうだとしたら、その機構は何か」、との研究に強い興味を持ちました。しかし、どのように研究すべきか、全く分かりませんでした。

先生と私では、研究の質が全く違いますが「先生でもそうだったのだ」、と昔読んだ先生の述懐がフト浮かんで来ました。不思議です。

「岡語録」を少し記します。

先生は、「情緒は日本人に固有なものであり、それは、小学校の時期に形成される。情緒の中心の調和がそこなわれると人の心は腐敗する」。

「社会も文化もあっという間にとめどもなく悪くなってしまう」、と「情緒」の重要性を指摘

そして「人の欠点しか見えないのが小人であり、人の長所しか見ないのが君子です。明治維新までは君子を作り小人を作るな、というのが教育の要諦であった」、と明治以降の教育のあり方に疑問を呈する。

また、先生は、新聞記者から「先生がおっしゃる情緒というのは何ですか」と訊かれ、「野に咲く一輪のスミレを美しいと思う心」と応えられた。この「心」、重要に思います。

「大自然は人の子を生むだけではありません。これを育てます。これが本当の教育です。人はその手助けをします。これを人は教育といっていますが、本当は教育の手助けなのです」。教育について考えさせられます。

「多くの人は、人には心があることを忘れてしまっているように見えますし、教育もこんなことを続けているとどうなるのだろうというような教え方を変えようとはしません」。

「それで私は私の心持ちを少数の人にでもよいから一度沁々(しみじみ)聞いていただきたいと思うようになりました」、と世の乱れや教育を心配され警告を発し続けられた。

岡先生は安岡正篤先生とも懇意で、安岡先生の講演会に岡先生も出席されたとのことです。写真は、両先生の懇談の一葉。

「情緒の中心の調和がそこなわれると人の心は腐敗する。社会も文化もあっという間にとめどもなく悪くなってしまう」。「情緒」、重要に思います。岡先生に感謝です。

『高邁な人』(安岡正篤 一日一言)

「粗忽(そこつ)・がさつは最も人格の低劣を表す。高邁(こうまい)な人格は、いかに剛健・活発にみえても、その人のどこかに必ずしっとりした落着きや静けさを湛(たた)えているものだ」。

「しっとりした落着きや静けさを湛えている高邁な人格」。『高邁な人』、いいですね。

2022-04-24

今年も我が家にツバメが来ています

4月10日の朝、我が家の前の電線を見るとツバメが2羽いました。今年も我が家にツバメが来訪。例年通り、車庫はツバメの住みかになり、車は青空駐車場へ移動です。

約30年前、鶴岡に移住して市内の2ヶ所で生活しました。まずは、借家、次に2階建ての家を購入。この2つの家には、ツバメは来ませんでした。しかし、15年前に引っ越した松ヶ岡、その年からツバメが飛来。

本日は、一部再掲も含め、我が家のツバメについて少し記します。

一昨年までの13年間、毎年一番(ひとつがい)の繁殖でしたが、昨年は二番(ふたつがい)が仲良く繁殖し、賑やかでした。さらに一番(ひとつがい)は二度繁殖。我が家の車庫は、ツバメに好かれています。

松ヶ岡は、果樹園や水田に囲まれた農村地域。自然環境に恵まれています。

ツバメは、何時も、我が家の車庫で繁殖し、雛が巣立ちます。車庫の巣は、すでに5つ。

初冬、シベリヤから庄内に飛来する白鳥と同じく、ツバメも「渡り」をして、我が家に飛来。

2つの鳥の渡りの違いは、北方から南方に飛来する白鳥と南方から北方に飛来するツバメ。

ネットで検索した「日本ツバメ研究会」等の報告に「ツバメの渡り」が記されていました。

それによると「ツバメの渡り」、その理由は、白鳥等と類似。より多くの餌を求めての移動のようです。マレー半島、フィリピン、台湾等からやってきます。

ツバメが翌年戻って来る割合は約23%。戻って来る時には、太陽を目印に戻るべき方向を決めて移動。目的地の見分け方は、海岸線、山、川の別に判別して内陸へ。1日に300km以上移動するとのこと。

ツバメを見ると何時も「無農薬・無肥料・無除草剤」で7年間お米を作った「自然共生水田」を思い出します。

朝早く、田んぼで除草機を押すと何時も多くのツバメがやって来てイネの上を飛行。ツバメの滑空、気持ちよさそうで格好が良いです。

この滑空で田んぼに棲む虫達を捕獲。すぐ近くの農薬等を使用する慣行水田では、ツバメの飛行が少ない気がしました。

2つの田んぼ、ツバメの飛行の違いは、餌の飛翔性昆虫の多寡に起因するのでは、と考えています。

「♩旅のつばくろ♬ 淋しかないか♪ おれもさみしい♫ サーカス暮らし♩ とんぼがえりで♪ 今年もくれて♬ 知らぬ他国の♪ 花を見た」、これは美空ひばりさんの『サーカスの唄』。昭和8年(1933年)。

これから毎朝、「旅のツバクロ」を観察。今年は、何羽の雛が巣立つのか楽しみです。ツバメに感謝。

『根に返る』(安岡正篤 一日一言)

「とにかく人間というものは、栄えようと思ったならば、まず何よりも根に返らないといけない」。

「草木でも、本当に健やかに繁茂させようと思ったならば、いたずらに枝葉を伸ばしては駄目で、幹を逞しくし、根を深く養わなければならない。根に返ることが大事である」。

『根に返る』、なるほどと思います。

2022-04-22

孔子の教え、「子、四を以て教う。文行忠信」

山形学習センター所長室での朝一番の仕事は、『「庄内論語」、一日一題カレンダー』をめくり、「孔子の教え」を心読すること。

本日の箴言は、「子、四を以て教う。文行忠信」。論語については、これまでにも何回か紹介しました。一部再掲も含め再度、ご紹介します。

「カレンダー20日」の箴言の意味は、次のようです。

「孔子は、徳性を磨くための要点として四つのことに基づいて教えた。一つは古聖賢の教えを学ぶ。二つはそれを活用実践する。三つには真心をもって人に接する。四つにはいつわりがなく真実をつくす、の四つ」。

「徳性を磨く要点」が、片言隻句(へんげんせっく:短い言葉)として見事に集約。実践したいと思います。

この『「庄内論語」一日一題カレンダー』は、今から15年前、私が山形大農学部長の時、卒業生に贈りました。『カレンダー』は、味わい深い箴言集で何度読んでも心に響きます。

この箴言は、鶴岡市長を初め鶴岡在住の老若男女31名が記しました。

評論家故伊藤肇氏は、著書『人間学』の中で『論語』について触れています。

「日本の経営者達が、最後の最後まで読み続ける本というと、『論語』が圧倒的である」。

「「財界総理」と呼ばれた経団連会長の石坂泰三なども、夏、軽井沢へこもる時には、必ず『論語』を持って行ったし、よく、こんなことも言っていた」。

「50歳過ぎてから新しく読み直してみると味わいが深い。しかも平生の考え方、生き方にもぴたりと役に立つ。僕は齢80を超して初めて孔子とじっくり膝をまじえて話し合った」。

日本の経営者の皆さんが、最後の最後まで読み続ける論語、何度読んでも味わい深い書です。

鶴岡では、「少年少女論語素読教室」があり、小学4年生から中学3年生まで、この「教室」で論語を学んでいます。これは1968年から始まり半世紀以上も継続。素晴らしい文化です。

我が家、中3の次男以外4人の子供達は、この「教室」で論語を学びました。

夏休みは、1週間毎日、朝5時30分から40分間、致道博物館の「御隠殿」に正座し、論語を素読。私も子供達と一緒に論語を12年間、素読しました。早朝のひと時の素読、とても気持ちが良かったです。

また、私が住む松ヶ岡の小学4年生から中学3年生は、「松ヶ岡少年会」の行事の一つとして松ヶ岡本陣で毎月1回論語を学んでいます。

約2600年前に記された「論語」、今までも、今も、これからも、私達の生き方の指針として学ぶべき書に思います。孔子とそのお弟子さん達に感謝です。

『真の教養』(安岡正篤 一日一言)

「およそ真の教養とは、人類の有する偉大な著書に親しむことによって得るものです。そこで昔から優れた定評のある良い書物を少しずつ読むことであります」。

「人間としての教養の書、人としての哲学の書、修養の書というものを、注意して毎日たとえ三枚でも五枚でも、そういう書物を必ず読むようにする。いわゆる座右の書を持つということであります」。

『真の教養』、重要です。毎日、座右の書を三枚でも五枚でも読もうと思います。

2022-04-20

鶴岡は今、桜が満開、お花見も「満開」

♪さくら さくら 弥生の空は 見渡すかぎり♪ 霞か雲か 匂いぞ出ずる♪ 

♪いざや いざや 見にゆかん♪

これは「さくら」の歌。幕末、江戸で子供用の箏の手ほどき曲として作られたものとか。

鶴岡は今、桜が満開です。「♪いざや いざや 見にゆかん♪」。見に行きました。

まずは、日本の桜100選の一つ、鶴岡公園の桜。綺麗です。農学部勤務の時は、毎年、教職員で花見をした場所です。懐かしい。


西日本で生まれ育った私には、花見はお酒を呑み、歌を唄って賑やかなものでした。一方、鶴岡の花見では、お酒は呑みますが、歌は唄わず、静かな花見。花見文化の違いを発見。

次は、私が住む松ヶ岡の桜。美しい。「敷島の大和心を人問はば 朝日ににほふ山桜花」、本居宣長の詩を思い出しました。



夜はライトアップ。綺麗です。

さらに赤川の土手の桜も立派。こちらは、花見の人がほとんどいないので静かに鑑賞。



最後は、私の桜。私の机の上で4月上旬に開花。楽しんでいます。

「散る桜 残る桜も 散る桜」、良寛和尚の詩です。

桜、いいですね。今年も無事に花見ができました。桜に感謝。来年の花見も楽しみです。

『健康の三原則』(安岡正篤 一日一言)

「第一に心中常に喜神を含むこと(神とは深く根本的に指して言った心のことで、どんなに苦しいことに逢っても心のどこか奥の方に喜びをもっということ) 」。

「第二に心中絶えず感謝の念を含むこと」。

「第三に常に陰徳を志すこと(絶えず人知れず善い事をしていこうと志すこと) 」。

『健康の三原則』、単純な教えですが、本質をついた教え。実行して心身の健康を維持したいと思います。

2022-04-18

お礼の言葉、「最後の手紙」

先日、「お礼の言葉:心からの感謝をこめて」とのカードが届きました。今年3月27日、70歳で逝った従兄の家族からの「お礼の言葉」。カードの標題は、「朗らかな笑顔、優しい声、陽気な音色を忘れません」。

従兄の家は、江の川の対岸で、子供の頃のお祭り等、相互に訪問して一緒に遊びました。何時もニコニコして朗らかだった記憶があります。

「お礼の言葉」は、ホノボノとした温かさがあり、良いカードでしたので一部を紹介します。

「夏祭りのステージに立ち、ユーモアたっぷりの司会で皆を笑わせた後、父が手に取ったのは相棒のサックス。仲間達と視線を交わし、そして始まったジャズの演奏に幾度も聴き入ったものでした」。

「父が楽器を始めたのは中学生の頃ですから、音を紡ぐこと実に半世紀以上。父は音楽と共に生きてきました」。

「朗らかな人柄そのままの音色は私達家族のみならず、聴く人すべての心を明るくしてくれたと思います」。

「家族での時間を大切にしつつ、地域の方々を支え、また支えられつつ、仕事にも邁進し、自分らしく歩み抜いた父を誇りに思います」。

「舞台でいつも羽織っていたジャケットを身にまとい、彼方へと歩み出す背を見送ります」。

「春一番に乗せ、とびきりの音色を響かせて欲しいと願ってやみません」。

「父は、令和4年3月27日、行年70歳を一期として往生の素懐を遂げさせて頂きました。その人生を笑顔で彩って下さった皆様へ心より感謝申し上げます」。

従兄は、音楽が好きで高校時代は吹奏部に所属しサックスを吹いていたのは、親戚一同よく知っていました。彼の高校の吹奏部は、何時も県大会で上位入賞。吹奏部が強いことは、島根県下で有名でした。

ジャズは知りませんでしたが、それを楽しんでいた姿が目に浮かびます。

この世に生を享(う)け全ての人は、何時かはこの世から去ります。この「お礼の言葉」を読み、私が去った後の「お礼の言葉」を今、自ら準備することを考えました。

家内もこの「お礼の言葉」に感心し、私の生前に「お礼の言葉」を書くことを勧めました。以心伝心です。「お礼の言葉:心からの感謝をこめた最後の手紙」の表紙のカードを作成予定。

従兄の家族から送られた「お礼の言葉:心からの感謝をこめて」のカード、従兄と楽しく遊んだ昔や私が未知な従兄の一面を知りました。

子供さんは、息子さんと娘さんの二人。従兄に似た人柄の良い子供さんに思います。

ご家族に感謝し、従兄の冥福を祈りたいと思います。

『存在感のある人』(平澤 興 一日一言)

「君がおらぬと、周囲が困るような人になりなさい」。

亡くなった従兄も存在感のある人だったと思います。『存在感のある人』、重要に思います。

2022-04-16

満足度を上げる創意工夫、「お話し会」

山形学習センター(山形SC)は、3つのセンターを目指しています。

それは、1)地域の文化や高等教育の中心として多彩な皆さんが集う「結縁のセンター」、2)日本と外国の方が学び交流する「多文化交流のセンター」、3)人生を如何に生きるかを学ぶ「人間学の学びのセンター」です。

そして、学生さんの満足度が高いセンターになるよう創意工夫しています。その一つが、「所長と学生の皆さんとのお話し会」。この「お話し会」での意見等も参考に満足度の高い山形SCに向けた改革も行っています。

本日は、4月10日に開催した「所長とのお話し会」について少しご紹介します。

まず、「お話し会」では、最初の10分間、私がパワポで山形SCの運営や教育等の特色を紹介しました。その後、出席の学生さんと意見交換。意見や質問の一部を紹介します。

高卒の新入学生さんからは、「今年度から単位認定試験がインターネットによる自宅受験となる。不正ができるのではないのか」との心配の質問。

また、年配の学生さんからは、「今年度からのインターネット単位認定試験について、ネット環境が自宅にないこと及びネットの経験がないので不安である」。それ分かります。事前の講習会等を実施します。

「コロナ以前は、開かれた大学であったように思う。その当時の賑やかで自由に利用できる環境に早くなって欲しい」。私もそう思います。早く賑やかな頃に戻したいと思います。

「学びのサロン(ゼミ)」は、教室での対面以外にも、Zoom配信とか、対面とZoomを一緒にしたハイブリッドでの実施も検討して欲しい」。検討しています。できるだけ早くハイブリッドで実施したいと思います。

「お話し会」の後、参加者同士、名刺交換をし色々と歓談しました。とてもアットホームで「結縁のセンター」が醸し出され良い雰囲気と感じました。

「話す会」が終わったその日の夜、出席者の方から私にメールがあり、「話す会」が終了後にベテランの学生さん達が高卒の学生さんと一緒にお茶を飲み色々なアドバイスしたとのことでした。

「結縁のセンター」を実感し嬉しくなりました。参加者の皆さんに感謝です。

『よい習慣をつくる』(平澤 興 一日一言)

「習慣になるまでは、たえず自分をいましめて自分を矯正、直さねばならんのであります。一日や二日や三日やって習慣にはならんのであります」。

「何年かやって、何年やってでも習慣のある部分はちょっと気を許すと元の木阿弥になりますが、たえず毎日がよい習慣をつくるその場だと思います」。

『よい習慣をつくる』、とても重要に思います。