私が、今年9月からお世話になっているボデイビルジム、パワー・ゲート・ライフでは、毎月末の土曜日に「雑談会」が開催されます。11月の「雑談会」、「雑談」の話題提供を担当しました。少し記します。
『自然の調和の解明を夢見た研究と教育 ―専門力と人間力を目指して―』との演題で35分の講演。山形大学での研究及び教育とお世話になった方々との出会いを中心にした2部構成の「雑談」でした。
「その1」は、「自然の調和の解明を夢見た研究と教育 ―調和法則の発見を夢見て―」として、「泥臭い生態学の一端と、愚直な七転び八転びの人生の一端を紹介」し、「その2」は、「山形大学での28年の生活からの学び ―専門力と人間力―」について触れました。
そして、「雑談」後は、楽しい雑談会。志が高く人間力の高い方々と情報及び意見交換を楽しんだ貴重なひと時でした。
私の「雑談」については、「大学院での先の見えない研究を継続できた理由は何ですか」と本質をついた質問も受けました。
「16歳で叩き込まれた大島商船の「五大精神」の一つ、「なにくそ負けるものか」もあったかもしれませんね」と応えました。しかし、その後、全く先が見えない研究を維持できたのは何だったのかとフト考えました。
私の専門の群集生態学は、生態学の重要な研究の一つでしたが、私が研究を開始した当時、野外で優れた研究は少ないのが現状でした。
そんな中、全く先が見えない研究を維持できたのは、「私がやらねば誰がやる」の「夢」に向けての無謀な挑戦、若気の至りであったかとも思います。
また、「無肥料・無農薬・無除草剤」の自然共生水田のイネに病虫害の発生が少ないのを人間の「メタボリックシンドローム」と類似させての話は、共感を受けたようでした。
自然を活かすこと自然に活かされることは、必要で重要なことに思います。
さらに元気な方々との地域の活性化への意見交換も楽しみました。
とても楽しい雑談会。このような機会を与えてもらったジムの「師匠」や講演を聴いてもらった参加者の皆さんに感謝です。
『自然に還れ、根本に還れ、精神に還れ』(安岡正篤 一日一言)
「生き方を考える上で、特に取り上げたいことは三つの点(三原則)です。その第一は自然に還れ、第二は根本に還れ、第三は精神に還れということです」。
「自然に還れ。産業でも人工的なものほど発達した産業と考えてきたが、これからはもっと自然を尊重すべきである。人工の都市の中に住むと人間がだめになる」。
「人間が発達し本当の文明を作り上げようとするならば、自然の理法に従わなければならない」。
「その次が根本に還れである。人間が発達させてきた文明が、現代になって、おそろしく枝葉末節に走ってきた。一つの花を咲かせ一つの実を成らせるようなことばかりに馳せてしまった。いわゆる抹消化である」。
「根本からだんだん離れてきた。抹消化が、移ろい易く滅び易いことはいうまでもない。花や実を本当に栄えさせるものは、実は根本を養うことである」。
「自然に還れ、根本に還れとなると、人間にとって何が一番自然であり根本であるか。それは結局精神である。心である。心の学問、精神の修養ということである」。
「近代文明をこのままにすると人間は心を失う、魂を失う。人工的になると本に還ることは難しい。どのように癒すかといえば、生活や飲食物そういう日常生活を自然に還らせる以外にない」。
「生命を根本に還らせる。最近、社会的犯罪などが多発している。これらを本当に解決しようとしたら文明、人間生活、民族、個人の生活を、少なくとも三原則に戻すことに努力するほかない」。
『自然に還れ、根本に還れ、精神に還れ』、何回読んでも身にしみます。心にとどめたい箴言です。