2024-07-05

研究の思い出(20):優秀なインドの研究者

本日は、久しぶりに「研究の思い出(20)」、「優秀なインドの研究者」について少し紹介します。

これまで私の研究室を訪問したのは、英国、米国、チェコ、インド、ポルトガルの5か国の研究者。彼らとは研究だけでなく多面的な情報交換も楽しむ。前3者は、これまでに紹介済み、後2者は未紹介です。

私は、1997年5月から約10ヶ月、英国ノーリッジのイーストアングリア大学に留学。留学してしばらくすると「親方」からインドの大学から共同研究者が訪問することを知らされる。

その研究者は、論文で研究などを知っていたので会えるのが楽しみ。チェコの友人とは、初めて会ったその日から大学のパブで多面的な情報交換を楽しむ。

一方、インドからの訪問者は、お酒は飲まない人で5時以降は、紅茶を飲みながら自国や研究について意見及び情報交換を楽しむ。

写真は、「親方」及びインドの友人と一緒に訪問したケンブリッジ大学の一葉。

インド政府国費留学制度の試験をパスしての留学だけあって凄く優秀でよく研究をする研究者。どこの国でも優秀な人は多く、凄さを感じる。優秀な人との会話は学ぶことが多くて楽しい。

お世話になった英国の「親方」が働き者なので、訪問者は皆、働き者。「親方」と議論し、実験をドンドンこなして結果が出ればすぐに論文執筆。インドからの訪問者も働き者。

彼は約3ヶ月の滞在。帰国時に「もし、機会があれば日本を訪問して一緒に共同研究を実施したい」という。

早速、日本学術振興会の長期招聘研究者制度に「農業生態系の捕食性節足動物群集の多様性が害虫大発生の抑制に果たす機能」との課題で申請し、採択。

2000年5月から2001年1月まで、招聘研究者として我が研究室に滞在し、共同研究を実施。

彼とは、9ヶ月の滞在期間中に9編の共著論文を公表でき、とても実り多い共同研究となる。

酒をたしなまない彼には悪いことをしたと反省しているが、ある日、「日本の居酒屋文化」を紹介したくなり、「焼き鳥屋に行こう」と誘う。

そして、焼き鳥屋の前に到着するや「少しお腹の具合が悪いので、今日はキャンセルしてよいか」と彼からの申し入れ。「では、次回にしよう」と「日本の居酒屋文化紹介」は、次回に回す。

しかし、よく考えると彼はベジタリアン(菜食主義者)で、焼き鳥などは「ご法度」。悪いことをしたと反省。

彼は帰国後、トリプラ大学生物学部学部長に就任。「ぜひ、インドを訪問してくれ」と言って帰国したが、その約束は、まだ果たせていない。インドを訪問して彼に会いたいとふと思う。

本日は、「優秀なインドの研究者」について少し記しました。

世界のトップの研究者の研究室を訪問しての共同研究は、研究人脈を広げる上でも良いと再認識。英国人の「親方」とインドの友人に感謝です。

『因果の法則』(安岡正篤 一日一言)

「人間には奇跡というものはありません。奇跡などというのは研究不足、勉強不足の者の言葉でありまして、原因・結果というものは常にはっきりっしておるのです」。

「悪いことをしますと、いつかは悪い結果があらわれ、善いことをすれば善い結果があらわれる、というのは厳粛な自然の法則であります」。

「したがって人間は因果律というものを大事にしなければなりません」。

『因果の法則』、当たっています。大事にします。