2024-07-14

研究の思い出(21):ポルトガルとサメ

本日は、2005年に来日した若いポルトガルの研究者との共同研究やポルトガルで食した「サメのステーキ」等を少し紹介します。

2004年に大西洋に浮かぶポルトガルのアゾレス諸島にあるアゾレス大学教授から「松前国際友好財団研究奨励金制度に応募して、山形大で共同研究したいが受け入れてくれるか」とのメール。

「NOと言えない日本人」の私、「喜んで受け入れます」との返信。申請研究が採択され、2005年7月から11月まで山形大農学部で共同研究。

採択課題は、「餌種の違いによるテントウムシの累代選抜が生存と発育などに及ぼす影響」。

彼は、2003年にアゾレス大学で「アブラムシ・カイガラムシの天敵に関する国際シンポジウム」を企画し、その時に知り合う。

大西洋上にポルトガルの島があるのは、初めて知りました。アゾレス島を訪問したのも初めてで、ポルトガルも初めて。

このシンポジウムは、英国の「親方」が会長で、その取り巻きが運営委員。私も1999年から2005年まで運営委員をやりました。

3年に一度開催される国際シンポ。シンポでは、毎回、「親方」を中心に食事会や現地視察が企画。早速、到着したその日に、「親方」を中心に夕食会が企画される。

英国人の「親方」、米国人、チェコ人、ベルギー人、日本人の5人で出陣。アゾレス島なので魚介類が美味しいだろうとのことで「海鮮レストラン:Seafood restaurant」を訪問。

「本日のお勧めは何か」と聞く。「本日は、サメのステーキがお勧め」とのこと。サメは食したことがないので、早速頼む。直径30センチはある大皿に、その皿とほぼ同じ大きさのサメの輪切りステーキが盛られてくる。厚さは2センチ。

米国の友人と「こりゃ、大きいな」と言いながら食べ始める。白ワインをチビリチビリと遣り、サメを食するのだが、1/3程度食したあたりから食が進まない。正直、あまり美味しくはない。

これは、参加者で一致。しかし、若い女性のウエートレスが「味はどう?」と微笑んで聞くと参加者は「凄く美味しい」とコメント。その後、皆で何となくニヤニヤする。優しい仲間。

それ以降サメのステーキに合うことはないが、二度と食したいとは思わない。貴重な経験。

来日したポルトガルの友人は、よく実験し、共同研究も順調に進む。インドの菜食主義者の友人と違い、お刺身やお寿司、日本酒も楽しむ。さらに、日本及びポルトガルの情報交換も楽しむ。

外国からの訪問者との共同研究は、研究の楽しみだけでなく異国の文化や習慣及び歴史等多面的に学べる楽しみもある。彼と過ごした5ヶ月間は、とても楽しい期間だった。彼に感謝。

『笑いと成長』(平澤 興 一日一言)

「ある人が申しました。どこまで笑って暮らせるかということで、その人の人間としての成長がわかると」。

「ある人は80のところでもう怒ってしまう、ある人は70のところでへこたれてしまう、ある人は95くらいのところまでは我慢できる等々です」。

「どこまで我慢できるか、どこまで心の平和を保つことができるかというような高さが、その度盛りが、人間の成長度を示す」。

「どこまで我慢できるか、どこまで心の平和を保つことができるか」、簡単なようでそうでもないと思います。『笑いと成長』、胆に銘じます。