2023-03-31

『独創の方法』、芸術と感性

昨日は、山形交響楽団理事の方にお会いし、放送大学や山形学習センター(山形SC)を少し紹介しました。

面談が終わり大学生の頃、地質・古生物を専門とする井尻正二氏に傾倒していた友人と過ごした大学生活を思い出しました。それは『独創の方法』と芸術及び感性との関係。昔を思い出しながら、少し記します。

友人イワク、「研究は、独創性が重要だ」。彼が勧める井尻先生の『独創の方法』を読みました。

「独創性を身につけるには感性を研ぎ澄ます必要がある。それには、音楽や絵画に親しみ感性を養うのも一つである」と言うのが井尻先生の主張の一つ。

先生は「あとがき」に、「独創性も人間のエネルギーの発露である以上、齢とともに衰えることは否定できない」と記す。

そして、「だが私は、これからも外国人の独創―外国人のたてた仮説―に尻尾をふり、それにみあう獲物は日本にもないか、とあちこち嗅ぎまわる犬みたいな仕事だけは死んでもする気がしない。そして、どんな小さいものでもよいから、自分の独創の園に生きたい、と思っている」と述べる。

先生の生き様を感じる一言。

クラッシック音楽をこよなく愛するその友人イワク、「「生」の良いクラッシック音楽の演奏を聴くことが感性を養う上で重要だ」。そして、コンサートに私を誘う。NHK交響楽団等の地方公演に行きました。

友人イワク、「良い音楽を聴いて感動すれば、涙が湧き出る」。友人と一緒に「生」の音楽鑑賞をしましたが、涙湧き出ませんでした。

さらに絵画も重要とのことで『現代世界の美術全21巻』を購入。その絵画を、眺めて暮らした時期もありました。

さらに大学院時代は、クラッシック音楽に造詣の深い先輩からオーディオセットを安く購入。その先輩がモーツァルトのLP版を山ほど譲ってくれて、アパートでモーツァルトを聴いて過ごした日々。

このような芸術鑑賞が、私の研究の独創性にどのように影響したか定かではありません。

山形交響楽団理事の方にお会いし、昔のクラッシック音楽を少し聴いていた日々が蘇る。そして、山形交響楽団には「鑑賞会員」があることを知り、早速、その会員に登録。

会員は、1年に8回の定期演奏会を鑑賞可能。4月16日(日)には、第308回定期演奏会が開催。

「山形交響楽団、2023-2024定期演奏会の案内」パンフレットには、「円熟の広上、再び・・・宮沢賢治の世界とチャイコフスキーのDrama/20世紀を生き抜いたショスターコヴィチの傑作を首席チェロの矢口が描く」と記される。

そして、「「我が最も良き友に」、楽譜にそう記されたチャイコフスキー第4交響曲。明快なテーマと情熱、管弦楽の巧みさから永遠の名曲の一つとして燦然と輝くロマン派の傑作」と述べる。

さらに、「チャイコフスキーの作品から約80年後に生まれたチェロ協奏曲第1番。鮮明な冒頭から独奏チェロの独白のような世界が描かれる20世紀の傑作協奏曲」と紹介。

最後に「2019年首席チェロに就任した矢口里菜子が、巨匠広上淳一指揮者と描き出す20世紀の深遠。広上が初演した宮沢賢治の童話をモチーフにした傑作で物語の幕は開ける」と記す。

4月16日、第308回定期演奏会、楽しみ。ワクワクです。山形交響楽団と理事の方に感謝。

本日は、学生時代が蘇った「『独創の方法』、芸術と感性」を少し記しました。

『明師良友』(安岡正篤 一日一言)

「人間はとかく労を避けて逸に就きやすいように、学問も独りでは往々そうゆう邪路に陥りやすい。そのためにも欲しいものは明師良友である」。

「明師良友は得がたくとも、古人を友とし(尚友)、古典を繙(ひもと)くことによって、或(ある)いは、より以上の感化を蒙(こうむ)ることができる」。

『明師良友』、重要に思います。「古人尚友、古典の繙き」、必要に思います。