2020-11-21

放送大学、楽しく分かりやすい授業

「小学校卒業以来ただただ働き続け、80歳を過ぎて、卒業などは考えずに生活時間の「穴埋め」として放送大学に入学。最初に選んだ科目でAがとれて続ける決心がつきました」。

「3コース目を卒業する時、最高齢卒業者として、学長特別表彰を受けたのが印象に残っています」。

これは、北海道学習センター、101歳で4コース目を卒業された学生の方の放送大学での歩みと感想。

放送大学では、定年退職された方や、ご年配になり入学された方も少なくありません。また、1つのコースを卒業され、2つ目3つ目と、さらに異なるコースを卒業される方もあります。

1つのコースは、大学での1学部に相当。2コース卒業とは2学部の卒業です。山形学習センターでは、6コースを卒業された「グランドスラム達成者」が1名、今年度さらに1名が達成予定です。

私は、10月から新入生として「文学・芸術・武道にみる日本文化」を聴講しています。この体験を通じ、ご年配の方が入学されることや、学位取得後、さらに違うコースを受講される理由の一端が分かった気がしました。

その理由として、1)講義は、室内での話だけでなく、ロケやインタビューがあり、工夫されている。また、2)講師自らが、執筆した教科書での45分の授業。教科書が簡潔に要点を押さえて記述され、分かり易い。それ故、3)講義が面白く分かり易い。

このような理由も100歳過ぎて、さらなる学びに関心が向く要因かもしれません。

また、新たな講義を立ち上げるには、教科書の作成も含め準備期間が3年。そして、講義は、4年を目処に総括されて更新。さらに新しい授業科目や内容に進化します。

「不易流行」。放送大学の講義は、時代が変わっても余り変化させない内容と、時代の変化に適応して進化させる内容のメリハリがあります。

さらに、「生涯学習支援番組」として、最近注目されているトピックスや課題等を取り上げた番組があります。

これらの番組には、「大村智博士が語るノーベル賞への歩み」や「新世紀の有機合成」等、10種以上があります。

「♪生きるとは学ぶこと、♫学ぶのは楽しみ♪」「♪生きるとは知ること、♫知ることは喜び♪」。これは、放送大学歌の一部抜粋です。本当にそう思います。

人生百年時代の今、放送大学で心身ともに刺激を受けて日々の生活を活性化し、若返る。今の時代の一つの生き方かもしれません。

放送大学での学びには、学生の皆さんの向学心が、一番ですが、分かりやすい約300科目、多様な授業も魅力の一つに思います。

放送大学の授業は、放送授業、面接授業、オンライン授業の3つがあります。放送授業は、インターネット配信され、何処でも、誰でも、何時でも聴講可能です。

私は今、バス通勤の往復車内で、45分のインターネット授業「文学・芸術・武道にみる日本文化」を楽しんでいます。「何時でも、何処でも、誰でも」学べる放送大学の授業、楽しい学びです。

『二つの鏡』(平澤 興 一日一言)

「鏡には二種ある。その一つは普通用いられている、物を映す「物の鏡」であり、他の一つは心を映す「心の鏡」である」。

「心の鏡には、人間としての鍛錬度が何よりも重要である。真に生涯学習を志しているような人の心は、いくつになっても鋭く、むしろ歳をとるごとにいよいよ鋭くなるが、人生に夢をもたぬような人の心の鏡は、いつのまにか濁ったり、凹凸ができたりする」。

「生涯、希望と夢とをもち続けるためには、この心の鏡は絶対に曇らせてはならぬ」。

放送大学、ご年配の方は、元気に溌剌とされている方が多いと感じます。「心の鏡」が曇っておらず、生涯、希望と夢を持っておられる気がします。元気溌剌、人生百年時代の今、重要に思います。