2024-06-23

舟木一夫さんのコンサートに昭和を思う

本日は、「舟木一夫さんのコンサートに昭和を思う」を少し記します。

6月19日夕方の山形駅東口、後期高齢者のご婦人が黒山のようにバス停に並ぶ。仙台方面の乗客かと思いきや皆、鶴岡・酒田方面。補助席を使っても2名が乗車不可。これ13年間のバス通勤で初めてのこと。

バス会社の人に「本日、コンサートですかね?」と聞くと、「舟木一夫のコンサートがありました」との応え。「そうですか、舟木さんのコンサートですか」と、一人納得。

バスは、80歳前後のご婦人の貸切り。終わったばかりのコンサートの余韻でバスの中が熱く盛り上がる。

隣の席では、「昨日は、郡山のコンサートに行き、これから舟木さん仙台と秋田に来るらしいので、仙台に行こうと思う」。追っかけ後期高齢者Aさん。

「昔、母から舟木さん主演の「絶唱」の映画を見てきな、とお金をもらったけど、もったいなくて行かなかった。今思えば行っとけばよかったと思う」。追っかけ後期高齢者Bさん。

「舟木さん、若いよね。声がよく出てたもん」。舟木さんで話が弾む。

舟木さん、1963年19歳の時、「高校三年生」で歌手デビュー。私と10歳違いの昭和19年生まれ。今年80歳。HPを見ると毎月全国各地で複数のコンサート、凄い。「追っかけ」のご婦人、大半が戦中生まれのよう。

昭和20年代は、戦後の貧しい時期。そして、昭和30年代、40年代、中卒は「金の卵」と言われ貴重な労働力。私の中学校からも「金の卵」の先輩が、京阪神や中京方面に就職。

後期高齢者のご婦人達の青春時代、白黒テレビでの歌謡曲や映画を観るのが娯楽に思う。そんな時代の青春スターの一人が舟木さん。私も子供の頃、歌番組に学生服で「高校三年生」を歌う舟木さんをよく観ました。

舟木さんには、数多くのヒット曲があります。私は、西沢爽さん作詞、遠藤実さん作曲の「仲間たち」が好きです。

♪歌をうたって いたあいつ 下駄を鳴らして いたあいつ♪ 

♪思い出すのは 故郷の道を♪

♪みんな一緒に はなれずに ゆこうといった 仲間たち♪

私は、昭和30年代、40年代に小学校、中学校で学び、クラスメイトはみんな「仲間」。「仲間」意識が強かったと思う。これと言った産業もない田舎の我が故郷、皆で助け合って生きていた。みんな「仲間」。

♪帽子まるめて いるあいつ リンゴ噛って いるあいつ♪ 

♪記念写真は とぼけていても♪

♪肩をならべた ツメエリにゃ 夢をだいてた 仲間たち♪

昭和を感じる歌詞。中学生の時、就職組は、島根県の郷土芸能として放課後に「安来節」と「どじょう掬い」の学びがあり。

♪手紙よこせと いうあいつ あばよあばよと いうあいつ♪ 

♪口じゃ元気に どなったくせに♪

♪ぼくが故郷を たつ朝は 涙ぐんでた 仲間たち♪

高度経済成長時代の昭和、「金の卵」達が集団就職列車に乗り都会に向かい、都会で働く。そして、高度経済成長を支える。昭和は、一つの大きな時代に思う。

昭和を思い出させてくれた舟木さんと後期高齢者のご婦人に感謝です。

『老いを忘れる』(安岡正篤 一日一言)

「真の人物は気概があると共に、どこかゆとりがあって、楽しむ所がなければならぬ。それで初めて老いを忘れることが出来る。また実際に何時までも老いないで暮らすことが出来るのである」。

『老いを忘れる』、肝に銘じたい教えです。