2024-09-01

お盆、男同士の旅:(2)萩から石見路へ

今年8月のお盆、10年ぶりの故郷への帰省を含めた楽しい「男同士の旅」。2週間前の「旅」でしたが、遠い昔のような気がします。本日は、「男同士の旅」第2弾、「萩から石見路へ」を少し記します。

♪兎追いし彼の山 小鮒釣りし彼の川♪ 夢は今も巡りて 忘れ難き故郷♪

長州萩での大島商船高専同期会を終え、翌日は、まず、松陰先生に会いに行く。松陰神社松下村塾を訪問し、幕末の長州を味わい、松陰先生の教えの一端を学ぶ。その一部を紹介。


「学問とは、人間はいかに生きていくべきかを学ぶものだ」。

心に残り、心に響く教え。

「至誠にして動かざる者は、未だこれ有らざるなり」。

日本を思い、日本を憂い、30年の人生を至誠で生き切った松陰先生、凄い人。

「夢なき者に理想なし、理想なき者に計画なし、計画なき者に実行なし、実行なき者に成功なし。故に、夢なき者に成功なし」。

「夢なき者に成功なし」、心にとどめたい教えです。

松陰先生を多面的に学び一路、青く澄んで奇麗な日本海を見ながら我が島根の故郷に向け出発。当初は、萩から「秋芳洞」訪問だったが、故郷の近くで「石見神楽」の実演情報を入手し、「神楽」鑑賞に変更。

「石見神楽」は、私が幼いころから毎年、故郷の「春日神社」で秋祭りの夜10時から翌朝6時まで奉納。毎年、楽しんだ田舎の秋の楽しみの一つ。


毎年10月末、秋の涼しい時期の「神楽」だったが、ここ20年くらいは、故郷に帰省した人々に楽しんでもらうお盆の行事にもなっている。35度を超える炎天下での「神楽」鑑賞、楽しみました。懐かしい。

今回は、有福神楽社中の神楽で、小中学生や女子生徒も含んだ社中。少子高齢化の波は、「神楽」にも現れているのを感じる。「石見神楽」の社中は約150あるとか。

最後の演目は、何時も「八岐大蛇(やまたのおろち)」。スサノウノミコトのオロチ退治。子供の頃のオロチは、多くて4匹でしたが、今回は8匹。舞台狭しとオロチが舞い、迫力ある「八岐大蛇」。堪能しました。


10年ぶりの「男同士の旅」復活。よいものだとフト感じる。長男は実家を離れアパート暮らし。高2の次男は、我が家で生活。しかし、大家族の我が家、会話が発散し、次男と話す機会も多くはない。

そんな状況での「男同士の旅」。狭いレンタカーや食事時、ポツリぽつりと男同士で話を楽しむ。特定の話題に花を咲かせるわけでもないが、他愛もない会話を楽しむ。何となく良いと感じる。

育ち盛りの2人の息子、夕食時2人とも「美味しい、美味しい」と言いながら気持ちが良いほどよく食べる。

幕末の歌人、橘 曙 覧の『獨 樂 吟』が浮かぶ。

「たのしみはまれに魚煮て兒等(こら)皆がうましうましといひて食ふ時」。

我が息子なので気遣いは不要、四方山話に関する情報や意見を交換。子供の成長も感じる。

これが最後の「男同士の旅」。少し寂しい気もするが、「子離れ、親離れ」は必要に思う。

我が故郷は、島根の中央に位置し日本で13番目に長い「江の川」を河口から30分上った場所。河口は江津市。江の川が見えると故郷に帰った感じを抱き、何となくワクワクする。故郷のよさを感じる。

♪如何にいます父母 恙無しや友がき♪ 雨に風につけても 思ひ出づる故郷♪

小学生の夏休み真っ黒になって遊んだ江の川。昔も今も変わらない。昔の思い出が蘇る。

♪志しを果して いつの日にか歸らん♪ 山は青き故郷 水は清き♪

故郷、いいなーと感じる。故郷があること、故郷に帰れること、感謝です。有り難い。

『家庭の力』(安岡正篤 一日一言)

「家庭というものは全く人間生活の基礎であり民族興亡の依所(よりどころ)でありますから、これを出来るだけ正しくし、美しく、力強くしてゆかねばなりません」。

「その為には、なるべく家族水入らずの気安さ、小じんまりとした手入れの届く住宅、決して贅沢でない衣食、静かで、考える余裕のある生活、濫(みだ)りにならぬ社交が必要であります」。

「家庭を失いますと、人は群集の中にさまよわねばなりません。群集の世界は、非人間的世界です」。

「人は群集の中で却(かえ)って孤独に襲われ、癒やされることのない疲労を得るのです。これに反して良い家庭ほど人を落ち着かせ、人を救うものはありません」。

『家庭の力』、重要に思います。