2022-08-05

『英語で「道」を語る』、受講終了

2022年度1学期の放送大学受講科目、『英語で「道(どう)」を語る』を15回聴講し、Web単位認定試験を受験。7月中旬は、毎日、バスの中で「道」と「英語」を楽しみました。本日は、それらを少し紹介します。

本授業の「講義概要」は、「「道」という概念を鍵として、日本で実践されている様々な「道」の在り方や、その背後にある思想や価値観を、英語でどのように表現できるのかを学ぶ」とのこと。

また、「授業目標」は、「「道」を中心とする日本の文化・思想・価値観等を英語で説明できる表現方法を学ぶ」です。

第1回「序」は、導入として、「「道」とはどのようなものか英語での説明表現等を学ぶ」。

そして、「茶道」、「武道」、「仏道」、「形の重視」や「象徴性」である「道」の背後にある「形」や「象徴性」について英語説明の表現も学びました。

また、「物語性」や「逆説」として「道」の背後にある「語り」や「逆説」を学び、さらに、「外国からみた「道」」として、日本とは文化背景を異にする海外から「道」が、どう見えるかについても学習。

毎回、それぞれ「道」の専門家や関係者が出演し、実演とインタビューもありました。例えば、日本舞踊では、泉流三代目家元。華道では、草月流師範会理事等々。

特に興味深かったのは、「外国からみた「道」」。これは、担当講師がスコットランド出身の空手有段者で日本を含めた幾つかの国で20年以上空手を稽古している大学教員への「道」に関する英語インタビュー。

スコットランド人教員は、「西洋人は色々のことに挑戦するが、日本人は基本を重視する。例えば、間合いの取り方や正しい立ち方の重視である」。

「英国やニュージーランドでも空手を稽古したが、そこでの人びとは基本を重視しているとは思えない」。

「また、西洋人の気質として何かに集中して一生懸命やることはそれほどない気がする。それに対し、日本人は、1つや2つの要点に集中するように思う」。

西洋人と日本人との気質等の比較を興味深く感じました。

さらに、担当講師が、スコットランド出身の歴史家・哲学者であるカーライルの『英雄崇拝論』を紹介。

カーライルは、「ある人間の戦い方は、その歌い方をみれば分かる。その人間が勇敢か否か、その剣さばきと同様、口から発する語や意見に表れる」と述べ、それに対する講師の意見を紹介する。

「人間の本質や人間性に関するこの全体論的な態度は、まさに私達が「道」を実践する際に取る態度であり、つねづね思っていたのは、もしかしたらスコットランド人と日本人との間に、人の振る舞いに関する類似の考え方があるのではないかということです」。

それに対してスコットランド人教員は、以下のように応えていました。

「カーライルの指摘は、人としてどう生きるか、我々の営みのなかで、いかに正しくあるか、そして立派な生き方をするには、どう行動するかということなのだと思います」。

「そして、日本の技芸、これはからなずしも武道に限らず、やはり「道」に教えられる茶道や書道を見ると、それもまた自分とは何かを理解し、正しい行いを考える事であって、実際に何をやっているかは、さほど問題ではありません」。

「何かを行う正しいやり方がある。例えば、言葉の使い方にしてもそうです。日本語には、正しい話し方というものがあるようです」。

「これは文化的なものかもしれないし、深いところで人間性として共通するものを表していると考える事も出来ます」。

「カーライルは、その時代、その文明の中で、人として生きるとはどういうことか、我々は真に何を為すべきか、何者なのかを考えた人なのだと思います」。

「そして、それは物質的な関心とは全く別の処にあるものです。21世紀の今、空手はならず者から身を守るために稽古をするわけではありません」。

「武道の稽古をするのは、「自分自身の内にある脅威から身を守る」ためであり、そちらのほうがはるかに恐ろしく、大きな問題です」。

とても興味深いインタビュー。生きるとは何であり、「道」とは何であるのか考えさせられました。

『英語で「道」を語る』、色々な「道」に関する英語表現だけでなく、「道」や「生き方」について多面的に学び知的な刺激を受けました。

『最高の生き方』(平澤 興 一日一言)

「今が楽しい。今がありがたい。今が喜びである。それが習慣となり、天性となるような生き方こそ最高です」。

『最高の生き方』、実行したいですね。