2022-08-13

お盆の墓掃除に故郷のお盆を想う

松ヶ岡に移住した15年前の夏、理事長さんから「安田さん、共同墓地が一ヶ所空いているけど、墓地はどうかね」と聞かれました。二つ返事で「お願いします」と即答。

それ以降、毎年、お盆の前には子供と墓所の草刈り。今年も8月11日、子供と松ヶ岡の集団墓地に行き、我が家の墓所の草刈りをしました。そして、昭和の我が故郷のお盆をフト回想。少し紹介します。



昭和30年代、島根の田舎の我が家、お盆前の子供の仕事は、仏前に提灯を置き、提灯の電球を灯す。そして、祖父とお墓の掃除が年中行事の一つ。墓石をタワシで磨き、花立てに花を手向ける。

父は長男で兄弟が6人の大家族。その兄弟と配偶者及び子供達がお盆に我が家に参集。男衆は昼、ビールを呑みテレビの高校野球観戦。女衆は、四方山話に花を咲かせる「井戸端会議」。

多くの家庭は貧しく、大人は、日々の仕事に追われていましたが、子供達は多く、元気に野山で遊んだ楽しい時代でした。

お盆は、8月13、14、15日。この3日間に我が集落のお寺では盆踊り大会。盆踊りと秋祭りの石見神楽は集落の2大行事。浴衣を着て盆踊りを楽しむ。仮装踊りがあり、審査員が順位付けして豪華賞品の授与。

夜9時過ぎから踊り始めて終了するのは12時。しかし、都会から帰省した若人は12時解散を惜しみ、「終了」の宣言後も元気に踊りを楽しみました。

盆に帰省した若人は、盆踊りに参集し、それは貴重な情報交換の場。盆踊りは、娯楽の少なかった昭和の貴重な娯楽で重要な情報交換の場でした。

鶴岡に移住し5人の子供と家内でお盆に片道1泊2日、車での里帰り、島根への帰省。運転手は私のみで、片道約1,300キロ走行。夏の年中行事でしたが、今では懐かしい思い出です。

お盆の墓掃除に故郷のお盆を想い、子供の頃の田舎のお盆と昭和を懐かしく思い出しました。

『家庭の力』(安岡正篤 一日一言)

「家庭というものは全く人間生活の基礎であり民族興亡の依所(よりどころ)でありますから、これを出来るだけ正しくし、美しく、力強くしてゆかねばなりません」。

「その為には、なるべく家族水入らずの気安さ、小じんまりとした手入れの届く住宅、決して贅沢でない衣食、静かで、考える余裕のある生活、濫(みだ)りにならぬ社交が必要であります」。

「家庭を失いますと、人は群集の中にさまよわねばなりません。群集の世界は、非人間的世界です」。

「人は群集の中で却(かえ)って孤独に襲われ、癒やされることのない疲労を得るのです。これに反して良い家庭ほど人を落ち着かせ、人を救うものはありません」。

『家庭の力』、重要に思います。