2024-09-19

朝の散歩、コバネイナゴの思い出

夏野菜の収穫も終わり、最近は朝農業から小太り忠犬クニオとの朝散歩に移行。本日は、先日の朝散歩で遭遇した田んぼのコバネイナゴの思い出について一部再掲も含め、少し記します。

コバネイナゴを知ったのは、今から約40年前、愛知県と岐阜県境にある大学付属放牧地での糞虫調査の時。毎年秋になると「イナゴ婆さん」が放牧地に布袋を持って出現。

ある時、お婆さんに何をしているのか聞くと、イナゴを集めているとの応え。イナゴを集めてどうするのか聞くと、炒めて食するとのこと。早速料理方法を教えて貰い、イナゴ取りを始めました。

まず、取ったイナゴは、布などの袋に入れて3日程度放置し、糞を出させる。「糞出し」が終わったイナゴを茹でる。そして、茹でたイナゴを水洗いし、フライパンで醤油と砂糖を加えて炒める。

簡単にイナゴ炒めが作れます。ビールのつまみに好適。それ以後、毎年、秋になるとイナゴ炒めを作り放牧地の職員の方とイナゴでの宴会。コバネイナゴの思い出、その1。

コバネイナゴの思い出、その2は、山形大での学生実験。約30年前、山形大農学部に赴任し、学生実験を担当。色々と考え、学生実験の1つとして、コバネイナゴを使った野外での個体数推定法の実習。

実習前にイナゴの生態や形態を簡単に説明し、その後、イナゴのスケッチ。動物生態学研究室、私の先代教授が学生の時に描かれた点描を参考にスケッチ。素晴らしい点描です。

スケッチが終わると、附属農場に行き学生さんを2グループに分ける。そして、お互い100m離れた場所でイナゴを捕獲し、胸部にペイントマーカーで印を記す。1週間間隔でイナゴを3回捕獲。

1回目は、捕獲して胸部に印を記し、個体数を記して、放す。2回目は、マーク虫と非マーク虫に分けて捕獲個体数を記録。非マーク虫は、1回目と異なる色でマークし、放す。3回目は、マークの色の違いで、1回目、2回目の個体と非マーク個体に分けて個体数を記録。

この3回捕獲、2回放飼で、イナゴの個体数を推定。さらに2つのグループ間でのイナゴの移動の有無を調査。学生さんは、楽しそうに実習をしていました。昔の楽しい思い出の一つです。

朝の散歩、色々と考え事ができ、予期せぬ生き物に遭遇。楽しいです。1時間歩くと汗だく。健康と体力維持にも良いと思います。忠犬クニオとの朝散歩。楽しみます。

『努力を習慣に』(平澤 興 一日一言)

「何が大切だと言っても、人生のできるだけ早い日に、この自主的努力を習慣的に身につけるほど大切なことはあるまい」。

「人生の勝負は普通考えられているようにただ頭脳のみの勝負ではなく、むしろ自主的努力を貫徹する意志と力と実行力にあるように思われる」。

「しくじりながら、これに教えられて突進するようになれば、もはやいわゆる失敗などというものはなく、失敗そのものさえが建設への手助けとなる」。

『努力を習慣に』、重要に思います。 

2024-09-16

お盆、男同士の旅:(3)中学クラス会

1ヶ月前の8月16日、10年ぶり中学校のクラス会、古希を楽しむ。遠い昔のような気がする。少し記します。今回のクラス会、私は「言い出しっぺ」。昨年3月に世話人会を立ち上げ、それからクラス会企画を考え続ける。

写真は、「中国太郎」の異名を持つ、我が故郷の「江の川」。小学生の「夏休みの友」。

まずは、企画力と行動力のある女子、アヤコ姐さんに共同世話人を打診。快諾。まずは、大きな第一歩。

世話人の我々2人は、山形と大阪在住なので、地元の同級生、町会議員のシュウちゃんとユウコ姐さんに世話人を打診、快諾。さらに前進。

世話人4人組が揃い、世話人のラインを立ち上げてクラス会に関する意見及び情報交換をしながら準備を進める。この世話人4人組がとても上手く機能し、楽しみながら準備が進行。


クラス会の趣旨は、”楽しいひと時を共有し、80歳に向かい、さらに元気になる”こと。キーワードは、「昔を思い出す」、「楽しむ」、「元気を出す」として、同級生に返信ハガキを同封したクラス会案内を郵送。

届いた返信ハガキを懐かしく読む。同級生36名、多くは、55年ぶり、ハガキでの近況報告。


世話人会、まずは、会場の選定から開始。旅館や温泉のある保養施設等も候補に挙がったが、小学校時代に友と遊び学んだ「学び舎」、小学校跡地に建てられた「川越生涯センター(公民館)」に決定。

案内本文には、「60年以上前に楽しく遊んだ小学校跡地で昔を懐かしく思い出し、小学生や中学生の頃に帰って昔の日々を楽しく語り合いたいと思います」と記す。

そして、「クラス会出席後は、出席前より元気になるのが目標です。皆で元気になりましょう!お忙しいとは思いますが、万障繰り合わせの上、多くの方がご出席されるのを楽しみにしています。川越でお会いしましょう!待っています!」と締めくくる。


クラス会プログラムは、1.開会の挨拶、2.故人となった級友への黙とう、3.小学校校歌斉唱、4.乾杯、5.思い出のスライドショー、6.思い出のクイズ(豪華景品あり)。

7.中学校校歌斉唱、8.一人ひとりの語り、9.参加できなかった友人からのメッセージ紹介、10.ユウコ姐さん及び有志のフラダンス、11.「故郷」合唱、12.閉会の挨拶。

地元在住のユウコ姐さんが、素晴らしいクラス会看板を作成し、飲み物等の買い出しを完璧に遂行。有り難い。当日、朝一番4人の世話人で進行等の打合せ。11時30分開始が、10時過ぎに同級生がボツボツ参集。


集まった同級生と「お酒の練習(?)」を開始したのが10時30分過ぎ。四方山話に花が咲く。11時には参加者が全員集まり、開会の宣言。中学校を卒業後55年ぶりに再会する友人もあり話が盛り上がる。

アヤコ姐さんが手作りコースターを全員分作成し、皆に配布。手作り感が良い雰囲気を醸し出す。私は、クニオのコースターとその原板をもらう。有り難う。


今回のクラス会、小中学校時代を思い出すのが重要事項の一つ。その流れで、私が娘の協力の下、「思い出のスライドショー」を作成し、披露。同級生から写真を送って貰い編集し、音楽と一緒に放映。皆若い。昔が懐かしい。続いて世話人のアヤコ姐さん企画の「思い出のクイズ」。2チームに分かれて質問に対する答えを紙に記す。

例えば、「小学校1年生の担任の名前は?大石先生」、「6年生担任の先生の机に入っていた飲み物は?ポケットボトルのウイスキー(何故、机の中にあったか不明。酒好きだった)」、否が応でも昔を思い出す。


プログラムのメインは、「一人ひとりの語り」。参加者が小中学校の思い出やこれまでの人生を語る。

中学校時代に長距離の選手だったミツアキクンは、「走る人生」を語る。古希の今でも、1年間にいくつかのフルマラソンに参加。さらに100キロのウルトラマラソンにも参加したとか。凄い。

出席者13名、中学校卒業後の人生を味わい深く聞き、学ぶ。11時から初めて3時30分の終了予定が、1時間延長の4時30分にお開き。5時間30分の「古希のクラス会」、話は尽きない。


スペシャルプログラム、フラダンスを習っているユウコ姐さんの上手なフラを鑑賞。そして、「故郷」を大合唱。ユウコ姐さんとシュウちゃんの閉会の挨拶で10年ぶりのクラス会が楽しく終了。

皆に会えてとても楽しく嬉しかった。クラス会を企画して良かったと思う。世話人のアヤコ姐さん、シュウちゃん、ユウコ姐さんや忙しいところ参加してくれた友人に心から感謝。

80歳になったら、また、元気で会いたいと思う。


私のスライドショーで使った作詞西沢爽、作曲遠藤実、歌舟木一夫の『仲間たち』。この曲ネットの学生時代スライドショーにBGMとして頻出。この歌を知らなかったが、昭和の良い「味」が出て、好きになる。

1.♪歌をうたっていたあいつ♪ 下駄を鳴らしていたあいつ♪
♪思い出すのは故郷の道を♪ みんな一緒に離れずに♪ 行こうといった仲間たち♪

2.♪帽子まるめているあいつ♪ リンゴ囓っているあいつ♪ 
♪記念写真はとぼけていても♪ 肩をならべたツメエリにゃ♪ 夢をだいてた仲間たち

3.♪手紙よこせというあいつ♪ あばよあばよというあいつ♪
 ♪口じゃ元気にどなったくせに♪ 僕が故郷をたつ朝は♪ 涙ぐんでた仲間たち♪


『相棒』(安岡正篤 一日一言)
「物事を研究する秘訣は、相棒を見つけることだ。相棒は人間でも書物でもよい。自分が真剣になりさえすれば必ず見つかる」。

今回のクラス会企画で、『相棒』の重要性を再確認。有り難う。

2024-09-14

松ヶ岡今、「赤とんぼ」の群飛、秋です

今、松ヶ岡の我が家の周辺では、「赤とんぼ」が群飛、秋です。本日は、一部再掲も含め「赤とんぼ」について少し記します。写真は、畑の棒の上に止まっている赤とんぼ。

田んぼには沢山のヤゴがいて、それは6月に羽化。羽化した「赤とんぼ」は、山に上がり越夏し、秋に里に下りてくる。「赤とんぼ」を見ると何時も『童謡 赤とんぼ』を思い出す。

♪夕焼小焼の、赤とんぼ♪ 負われて見たのは、いつの日か♪ 

懐かしい歌、良いですね。ふと上空を見ると10匹のトンボが電線に止まっている。

さらに果樹園にも多くの「赤とんぼ」が群飛。柿の木に多くの「赤とんぼ」が静止。

子供の頃、島根の山間にある我が故郷、毎年秋には、我が家の畑にもの凄い数の「赤とんぼ」が飛翔。それを思い出すと子供の頃がすぐに蘇る、不思議です。秋と言えば「赤とんぼ」。

30年以上も無農薬・無肥料・無除草剤による「自然共生田んぼ」でお米を作っている知り合いが、ある時、「何故トンボをDragonfly と呼ぶのか分かった」と教えてくれました。

「Dragon」は龍で、「Fly 」は、飛ぶ昆虫。「Dragonfly」は、龍のように飛翔する昆虫。

「6月早朝、イネに付いた何百ものトンボの蛹が一斉に羽化し、それが大空に飛んで行く。その姿は、まさに大空を飛翔する龍であり、トンボの一斉羽化は、飛翔する龍の姿だ」。

「「Dragonfly」、それは、トンボの一斉羽化を意味している」、と紹介。「なるほど」と思いました。

「自然共生田んぼ」では、除草剤を使わないので、6月から7月、毎週1回合計8回除草機で除草

朝6時前から除草機を押す除草中に、「赤とんぼ」の蛹が羽化する場面に遭遇。命を感じるひと時、忘れられません。

外では今、コオロギが鳴いいる。秋です。季節の移り変わりを知らせてくれる虫たち、大事にしたいと思います。豊かな自然、大切にしたい。

♪夕焼小焼の、赤とんぼ♪ とまっているよ、竿の先♪ 

秋を感じさせてくれる赤とんぼに感謝。

『自然に還れ、根本に還れ、精神に還れ』(安岡正篤:一日一言)

「生き方を考える上で、特に取り上げたいことは三つの点(三原則)です。その第一は自然に還れ、第二は根本に還れ、第三は精神に還れということです」。

「自然に還れ。産業でも人工的なものほど発達した産業と考えてきたが、これからはもっと自然を尊重すべきである。人工の都市の中に住むと人間がだめになる」。

「人間が発達し本当の文明を作り上げようとするならば、自然の理法に従わなければならない」。

「その次が根本に還れである。人間が発達させてきた文明が、現代になって、おそろしく枝葉末節に走ってきた。一つの花を咲かせ一つの実を成らせるようなことばかりに馳せてしまった。いわゆる抹消化である」。

「根本からだんだん離れてきた。抹消化が、移ろい易く滅び易いことはいうまでもない。花や実を本当に栄えさせるものは、実は根本を養うことである」。

「自然に還れ、根本に還れとなると、人間にとって何が一番自然であり根本であるか。それは結局精神である。心である。心の学問、精神の修養ということである」。

「近代文明をこのままにすると人間は心を失う、魂を失う。人工的になると本に還ることは難しい。どのように癒すかといえば、生活や飲食物そういう日常生活を自然に還らせる以外にない」。

「生命を根本に還らせる。最近、社会的犯罪などが多発している。これらを本当に解決しようとしたら文明、人間生活、民族、個人の生活を、少なくとも三原則に戻すことに努力するほかない」。

『自然に還れ、根本に還れ、精神に還れ』、何回読んでも身にしみます。群飛する「赤とんぼ」を見ると『自然に還れ、根本に還れ、精神に還れ』が浮かびます。心にとどめたい教え。

2024-09-12

鶴岡、馴染みのスナックと「お母さん」

私はあまりスナックには行きませんが、鶴岡に「酒を愛する友人」等が来ると居酒屋で夕食後にスナックに行くこともあり。先日、久しぶりに「酒を愛する」知り合いとスナックに行ったので少し記します。

鶴岡で行くスナックは、1軒だけ。もう30年以上のお付き合い。スナックの「お母さん(ママ)」がいい人。ボトルをキープしますが、カラオケでいくら迷惑をかけても迷惑料(勘定)は、一人2000円ポッキリ。

学会等で「酒を愛する友人」たちと色々な地域のスナックにも行きましたが、鶴岡、馴染みのスナックのようなお店はなし。

お通しも半端でない。訪問した夜は8品サザエのつぼ焼き付き。これで勘定は2000円ポッキリ。何時もお通しは8品程度で、美味しい品が揃う。全品手作りの絶品。有難い。


スナック選びは、人それぞれでしょう。しかし、余程のお金持ちでない限り、いくら酔ってもコスト・パフォーマンスをチェックし、再訪するか否かを判断。再訪したくなるお店はほとんどなし。

何が再訪の有無を決定するか。人それぞれに思う。

鶴岡、馴染みのスナック、「お母さん」との相性もあり。「お母さん」は美人で優しく、凛としている。そして、言うべきことは、はっきり言う。お店に相応しくないお客は強制退去させる。これも良い処と思う。

はたから見ると商売っ気は薄いと感じる時もある。先日も外から見えるお店の看板の灯が消えている。さらにお店の前の看板も消灯。一緒に行った知り合いは、「今日はお休みですよ」と言う。

「昨日、予約したから休みってことはないですよ」と私。恐る恐る店のドアを開けると超満員。お店の看板を消してもお客で一杯。凄いお店。予約しないと入れないほど盛況。

お客が再訪したいと思うには、共通項があるように感じる。「お母さん」と色々な話をするわけでもないし、カラオケを歌うわけでもない。しかし、たまにヒョッコリ行って、ぼんやりグラスを傾けたいと思うお店。

居心地が良い。居心地の良さは、「お母さん」の人柄、適度な気配りと距離感、会話の質かと感じる。「お母さん」、お店の切り盛りは一人で対応。混みすぎの時は、お客が手伝うこともある。

さらに、「お母さん」は、いくら混んでいても必ずお店の外の道路まで見送りに出る。しかし、全てのお客さんを見送るわけではない。この辺りは30年の付き合いのなせる業か?

よくは分からないけど、またヒョッコリ行きたいと思う数少ないお店。お店を長く続けて欲しいと思う。

本日は、「鶴岡の馴染みのスナックと「お母さん」」について少し記しました。「お母さん」に感謝。

『縁尋機妙、多逢聖因』(安岡正篤:一日 一言)

「良い縁がさらに良い縁を尋ねて発展していく様(さま)は、誠に妙(たえ)なるものがある。これを「縁尋機妙(えんじんきみょう)」という」。

「また、いい人に交わっていると良い結果に恵まれる。これを「多逢聖因(たほうしょういん)」という。人間はできるだけいい機会、いい場所、いい人、いい書物に会うことを考えなければならない」。

『縁尋機妙 多逢聖因』、縁大事ですね。

2024-09-09

松ヶ岡の秋祭り、五穀豊穣に感謝

農業を主たる生業としていた地域、松ヶ岡では、春と秋にお祭りがあります。そして、秋祭りでは、今年の農作物、五穀豊穣を感謝し、お祈りを捧げます。

昨日は、秋祭り、本日は、松ヶ岡の秋祭り等を一部再掲も含め少し記します。

お祭りでは、当屋から御神輿が出て、小中高校生等の鼓笛隊と一緒に集落を行進。

我が家は、松ヶ岡に来て3年目に当屋を依頼され、当時を懐かしく思い出す。

当屋組が祭事当番となり、蚕業稲荷神社を清掃し、神社前に赤い小さな幟も立てます。さらに、神社への沿道には手作りの灯籠。お祭りの雰囲気がでます。


集落を行進していた御神輿が蚕業稲荷神社に帰ってくると、神社で神事。神事終了後は、松ヶ岡の本陣で直会

松ヶ岡では、常会や直会等は、年齢順に着席。17年前に移住したときは、元気なご年配の方々も多く出席され、私の席は、末席に近い場所。

移住して17年、何時の間にか最上席に近く、世代の入れ替わりと月日の早さを感じる。

両隣の方と差しつ差されつの直会。多くの農村が少子高齢化による人口減。松ヶ岡も例外ではなく、昨年は松ヶ岡の変革のための委員会が立ち上がり、将来の松ヶ岡について検討。

そのような状況もあり、直会では、松ヶ岡の行事や奉仕作業の現状や今後について意見交換。また、集落の方々と多面的な情報交換も直会の果たす機能の一つ。貴重な情報交換。

松ヶ岡の秋祭りに子供の頃、島根の田舎の「春日神社」での秋祭りを思い出す。

祖父が、長い間、神社の総代を務め、毎年、隣町の宮司さんが我が家で着替え、お祭りが終われば我が家で直会。

私の故郷の秋祭り、集落の住民の楽しみの一つは、石見神楽の奉納。夜10時から翌朝6時まで、夜通しでの神楽。楽しいお祭り。

秋祭り、松ヶ岡の方々と多面的な情報を交換し、元気な皆さんにお会いした楽しいひと時。直会、重要に思います。皆さんに感謝です。

『笑いと成長』(平澤 興 一日一言)

「ある人が申しました。どこまで笑って暮らせるかということで、その人の人間としての成長がわかると」。

「ある人は80のところでもう怒ってしまう、ある人は70のところでへこたれてしまう、ある人は95くらいのところまでは我慢できる等々です」。

「どこまで我慢できるか、どこまで心の平和を保つことができるかというような高さが、その度盛りが、人間の成長度を示す」

「どこまで我慢できるか、どこまで心の平和を保つことができるか」。『笑いと成長』、胆に銘じます。 

2024-09-07

趣味の農業果樹編、「イチジク」の収穫

果物の里、ここ松ヶ岡、モモの収穫が終わり、これからは柿です。我が家でも柿の木があり、収穫を楽しみにしています。今、収穫を楽しんでいるのは、イチジク。再掲も含め少し記します。

我が家には、果樹が13種類ありますが、種ごとの木の本数は、1)スモモ、2)ブドウ、3)イチジクがベスト3です。イチジクは4本。

我が家の果樹園の特色は、果樹の種類数が多く、多様性が高いこと。生産効率は低いですが、「趣味の農業」、果樹の多様性を保ち、農薬散布をせずに果樹を生産。

6年ほど前にイチジクの木を購入。熟成すると実の表面が小豆色になる通常のイチジクを想定。

しかし、購入したイチジクは熟成しても実の大きさが、通常のイチジクの1/3 程度、表皮は薄い黄緑、小豆色ではありません。

「こりゃ、失敗したな。苗木を購入する時、もう少し吟味すればよかった」と、反省。一方で、このチビイチジク「怪我の功名(?)」的なこともあり。

熟れると小豆色になる通常のイチジク。鳥は、熟れて小豆色になったイチジクを食べます。一方、チビイチジク、熟成しても小豆色でなく黄緑、鳥の摂食はほとんどなし。

色だけでなく、葉が繫茂した中にチビイチジクがあり、鳥はイチジクを発見しにくい。このチビ太郎、結構甘くて美味しい。

鳥の加害よけにを購入。この鷹が良い仕事をし、鷹が飛ぶことで小鳥の被害はなし。有り難い。

毎朝、腰に付けた魚籠(ビク)にイチジクを収穫しますが、ビクが重くて腰が抜けるくらいの収穫量。イチジクは、生食も良いですが、煮てジャムとして食するのも美味しい。

一般的に果樹の無農薬栽培は、難しいが、イチジクは木の中に潜り込むカミキリムシさえ退治すれば、農薬散布は不要に感じる。

このカミキリムシは、木に穿孔し、その小さな穴から木くずを出すので、発見と防除は容易。

木の上で発見した成虫は、「名刀正宗」の剪定バサミで「チョッキン」と一刀両断。そして、木の中にいる幼虫は、「キンチョールE」のスプレーで一発殺虫。

害虫の防除をするたびに大学院でお世話になった農薬学が専門の教授の一言を思い出します。「安田君、生物的防除のような役に立たん研究は止めて農薬を使いなさい。農薬を。簡単やないか」。

恩師は、一昨年の暮れに94歳で亡くなられましたが、大学院や学位取得後も色々とお世話になりました。

イチジクから害虫防除になり、大学院の恩師を思い出す。趣味の農業、朝からいい汗を流し、作物の生育や収穫から元気をもらって楽しんでいます。味覚の秋、いいですね。

『気力旺盛』(安岡正篤 一日一言)

「気力が旺盛であるということが個人的にも民族的にも最も大事なことで、気力を弱くしてしまったら、教養が多少あろうが、頭脳・知性が優れていようが、技能が発達していようが問題でない」。

「気力というものが一番大事で根本的なものである。日本民族もこの気力を失わなければ、気力が旺盛になれば、いろいろの欠陥は少しも苦にする必要はない」。

「反対にどんな長所があっても、例えば知性だ、技能だ、その他教養があるといっても、気力が旺盛でなければ個人も国家も発展しない」。

何時までも『気力旺盛』でありたいと思います。

2024-09-05

米処の庄内今、実るほど頭を垂れる稲穂かな

米どころ庄内平野の水田では今、稲穂が頭(こうべ)を垂(た)れ、これから稲刈り。黄金の稲穂、良いですね。瑞穂の国です。本日は、一部再掲も含め、かつての田んぼでの研究等の一部を紹介します。

庄内では、武士の末裔の集落として有名な松ヶ岡に移住して18年が経過。我が家の裏の果樹園と畑で趣味の農業を楽しんでいますが、研究として長年関わったのは、田んぼ。

「頭を垂れる稲穂」を見て、約18年前から10年以上行った「無肥料・無農薬・無除草剤」でおコメを作る自然共生水田での米作りを思い出す。

我が家から徒歩5分の田んぼを借用し、7年間「無肥料・無農薬・無除草剤」でイネを栽培し、水田の多様な生物の役割を解明する研究を実施。

この自然共生水田の研究は、私の友人が2006年 鶴岡市で「全国トンボサミット」を開催したのがきっかけ。その時の講演者、篤農家の方との貴重な出会いが研究の出発点。

この方は、酒田市で30年以上「無肥料・無農薬・無除草剤」でコメ作り。「コメ作りには、雑草や害虫も含めた生き物の多様性と調和が重要で、生き物と生き物のつながりが必要だ」と話される。

篤農家であり生態学者。探究心が旺盛でお会いすると何時も多くの学びがある凄い人。

その方の田んぼを視察しましたが、ヤゴやタニシも含め多様な水辺の生き物が生息。「多様な生き物の役割や自然の調和機構の解明」がライフワークの私には、大変魅力的な研究対象で、一気にのめり込みました。

早速、学生諸君や友人と共同研究を開始。その研究は3段階で進む。

まず、1)自然共生農法と慣行農法が水田生態系に与える影響の解明(2009-2011)

そして、2)自然共生農法の経過年数が湛水及びイネの生物群集に及ぼす影響の解明 (20122014)

最後が、3)タニシが湛水生物やイネの生育とイネの生物群集に及ぼす影響の解明 (2013-2015)

タニシは、「田の主(ぬし)」とも言われ、タニシが田んぼに多いとコメが増収したとのこと。

それゆえ、タニシが田んぼのヤゴ等の湛水生物に及ぼす影響やそれとコメ増収との関係を調査。


3番目の研究が、我が家の近くの水田を借用しての実験。3年間の実験の前後を含めて7年間、一反歩の田んぼを3つ使っての調査。

これらの研究は、8名の学生諸君との共同研究で、4編の修士論文と4編の博士論文となる。

田植えと稲刈り以外の田んぼの仕事、除草、畦の草刈り、朝夕の用水の操作等、田んぼの管理も行う。色々な発見があり興味深い7年間。田んぼを楽しみ田んぼから多面的に学ぶ。

農薬等を使う「慣行水田」を無肥料・無農薬・無除草剤の「自然共生水田」に変えると、昆虫やクモ、オタマジャクシ、ハラアカイモリ、シマヘビ、ツバメ、サギ等、生き物の種数が増え、生物多様性が増加。

「慣行水田」では、肥料や農薬等の化学資材の投入で、特定の生物の個体数が増加し、水田の多様性は減少。

一方、「自然共生水田」では、湛水及び地上の生物多様性が増加し、それが生物の調和を保つ機構の一つのよう。また、タニシは、湛水生物の多様性増加やそれを通じたお米の増収に機能。

「自然共生田んぼ」では、除草剤を使わないので、6月から7月、毎週1回合計8回除草機で除草

また、100mの畦が5本あり、その草刈りが大変だったこと、田んぼの多様な生き物観察の面白さ等々、懐かしく思い出す。

色々と学び考え楽しんだ7年間。学生諸君や共同研究者の皆さんに感謝。

「実るほど頭を垂れる稲穂かな」を見て、かつての田んぼの研究を思い出す。懐かしい。

『学べば学ぶほど』(平澤 興 一日一言)

「世の中には、説明のできないような不思議がたくさんあります。全てが科学で解明できるなどということは、間の抜けた科学者の言うことであります」。

「真に科学を、学問を研究した人は、分からないことがだんだん増えてくるということをしみじみ思うものです。学問をして賢くなると思うような学問の仕方は、本当の学問の仕方ではありません」。

「学問をすればするほど、一つ分かれば、十位分からんのが出てきますから、他の人よりは深く知っても、自分として主観的には分からんことの方が、だんだん増えてくるのであります」。

「学問をすればするほど、世の中に当たり前なんてことはなくなり、全てが不思議になるのであります」。

確かに研究すればするほど、分からないことも増えます。『学べば学ぶほど』、同感。