先日、知り合いから国際シンポジウム、基調講演の依頼。これまで色々な国際会議や国際シンポに出席し、それらがフト浮かびました。本日は、初めて出席した国際会議と米国での一人旅を少し紹介します。
写真は、シアトルからアラスカ、フェアーバンクスへ向かう飛行機から眺めた北米最高峰のマッキンリー。
最初に国際会議に出席したのは、1988年博士号を取得後、日本学術振興会特別研究員として信州大学農学部で研究に従事した年の10月、今から30年以上前。
国際会議は、カナダのバンクーバー(Vanc)、ブリティッシュコロンビア大学(UBC)で開催。
成田からシアトルに飛び、そこからVanc行きに乗り継ぎカナダ入国。人生初めての海外出張。シアトルからの乗り継ぎ時間が短く、上手くVanc便への乗り継ぎが可能か心配でした。
シアトル空港では入国審査があり、Vanc乗り継ぎターミナルへは電車。広い空港だと驚きました。
何とか出国審査を終えてVanc便に搭乗した時は、離陸の少し前。機内でホッと一息。
シアトルで乗り継ぐと英語の機内放送が早くてほとんど聞き取れず、まいりました。
1週間の国際会議では、宿泊費が一番安いUBCの学生寮に宿泊。他国の研究者と6人部屋での共同生活。初めての経験でしたが色々と楽しみました。
そして、国際会議1日目、基調講演は、昆虫生理学の研究者。開口一番「私の講演は、多くの人が興味を持つ発表で、居眠りをする人はないことを確信する」と言って講演を開始。
私の専門は昆虫生態学、専門は異なりましたが、講演は音楽が入り、スライドに工夫があり、皆が楽しく笑うユーモアもありで、本当に興味深い講演。講演、勉強になりました。
会議では、私の口頭発表後、多くの研究者がやって来て熱い研究討論。また、学生寮の同室の研究者とも多面的な情報交換を満喫。アッと言う間の1週間。
会議終了後は、ロサンゼルスに飛び、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)のJ.ダイアモンド教授と面会。教授は、私の専門の群集生態学の世界的権威。
事前に「訪問したい」との手紙を出すと「会いましょう」との返信。UCLAの近くの高級レストランに招待され美味しい海鮮フルコースをご馳走になりました。
教授とは、研究の話だけでなく人生についても多面的な意見交換を楽しみ、思い出に残る貴重なひと時。教授に感謝です。
そして、ロスから東海岸のバーモンド州リッチモンドに飛び、そこで日系企業を立ち上げた友人を訪問。5年ぶりの再会を楽しみ痛飲。
今回の国際会議出席前、新田次郎さんの『アラスカ物語』を楽しく一読。是非、アラスカ、フェアーバンクスのフランク安田に会う事を決定。
『アラスカ物語』、「明治元年、宮城県石巻町に生まれた安田恭輔は15歳で両親を失う。外国航路の見習い船員となり、やがてアラスカのポイントバローに留まった彼はエスキモーの女性と結婚してアラスカ社会に融けこんでいく」。
「食糧不足や疫病の流行で滅亡に瀕したエスキモーの一族を救出して、アラスカのモーゼと仰がれ、90歳で生涯を閉じるまで日本に帰ることのなかったフランク安田の波瀾の生涯を描いた感動の長編」。
リッチモンドからシアトルに戻り、そこからフェアーバンクスへの旅程。シアトルで米国の友人と会い、シアトルを堪能し、フェアーバンクスに直行。
「旅程表」では、シアトルから直行便でフェアーバンクスと記述。飛行機が着陸したら疑うことなくフェアーバンクスと思い入国審査に向かいました。
しかし、ちょっと注意して看板等をみたら様子が変。フェアーバンクスではなさそう。早速、近くの人に聞いたアンカレッジ、ウウウ。
イヤー、この時は驚きました。慌てて降りた飛行機に向かい猛ダッシュ。何とか離陸前に搭乗し、ホッと一息。「旅程表」を鵜呑みにすべきではないことを学びました。
フェアーバンクスに到着し、空港から民宿に電話して予約を取り、タクシーで宿へ。翌日は、フランク安田の資料等が展示してあるアラスカ大学フェアーバンクス校を訪問。「安田」に会いました。そして、フェアーバンクスを楽しみ、シアトル経由で成田着。
フェアーバンクスの夜、居酒屋で地元の人と話したら、昨夜は綺麗なオーロラが見えたとのこと。オーロラは、冬の風物詩と思っていて見逃しました。残念。
今から30年以上前の北米1ヶ月の一人旅。色々なハプニングはありましたが、楽しい旅。異国の旅では空港での友人の出迎えがとても嬉しかった。
機会があれば、また海外一人旅を楽しみたいと思います。「初めての国際会議出席と米国の旅」の思い出を少し紹介しました。
『経験が人生を深くする』(平澤 興 一日一言)
「いかなる経験もただ人真似では駄目なんだ。その場所、その相手によって考えながら生きていかねばならん。そういう経験は同時に人生を深くすると思います」。
『経験が人生を深くする』、なるほどと思います。